ミュージカル歌唱という授業を持っている。
ミュージカルだから特別な唄い方というのは、ないので、
自分は、キャラクターライゼイション歌唱と銘打った授業をしている。
香港やニューヨークで実際に受けきた内容だ。
内容は、企業秘密。
学生は、必ず新曲でも初回から暗譜だ。
余計に、学生がどれくらい練習してきたか、すぐわかる。
もちろん、こちらが頭が下がるくらいやってきてくれる子もいる。
こっちが、遠回りをして、時間やお金をかけて得たものを
お渡ししているつもりだ。
やってこない子を見ると、なめんなと思う、
こっちは本気だ。
学生時代、毎朝、大学の校舎が開く前に、校舎のガラスに写して踊り、
校舎があくと、イタリア歌曲を練習していた。ド下手だったが練習した。
演劇科だったが、音楽科へ行って声楽の個人レッスンをうけていた。次々新曲を持ってくる俺を音楽科所属の学生に、大倉由起枝先生が「演劇科の学生がこんなにやってるのに」と。
なぜなら、いつも不安だった、今も不安だ。
自分は、才能がまったくないので、努力しかないと思っていたので、
練習できないと、恐怖に襲われるくらいだった。
だから、実習公演稽古期間も絶対休まなかったし、
プロになって公演中も、ライブに出演した。
人と同じでは、弾き飛ばされてしまうと。
卒業して、劇団四季へ行くと
才能が豊で、努力を惜しまない人がたくさん
劣等感でつぶれそうだった。
それでも、くらえついていた。
外へ飛び出して、
運良く、仕事ができていたが、
自分の実力が伴っていなきと不安になり留学した。
海外でも仕事をした。
まだまだ、演劇がわかってないと、
帰国後、大学院へ
また舞台に。
ショービジネスを理解していないと、思い知らされることがたくさん。
先輩教授のMinaさんが学生の前で言っていたが
「人と出会うのも才能」
それが自分にはなかった。
それでも、まだ歌っている。
不安だから、練習もする。
いつも、人と同じことをやっていてはダメと。
それでも、自分はこの程度の表現者だ。
若者からは、魅力的に見えないのは当然だが反面教師にしてくれ。
学生よ、不安はないのか?
すでにプロになってる若者よ、人と同じことこだけやっていてよいのか?
そんなに才能をお持ちでしょうか?