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彩桜のブログ

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どうやら今夜は満月のようです。

月の光が差し込む窓辺に男の子の人形は座って、じっと夜空を眺めています。

もちろん、彼は人形です。
話をすることも、表情を変えることもありません。


でも、心はあります。 心の中ではいろんなことを想っています。


「今日はおじいさん、僕にたくさんの話を聞かせてくれたなぁ。
僕の知らない昔のことや、家族のこと、もっともっと聞かせてほしいなぁ… 僕はこのお店 おじいさんのことが大好きだ


でも、おじいさんちょっと寂しそうだったな…

僕が人形じゃあなくて、人間だったらよかったのに…。
そうすれば大好きなおじいさんとお話もできるし、お店のお手伝いだってできただろうに…。」


夜空の月を眺めながら 男の子の人形はそんなことを想っていました。



やがて空は明るくなり朝がやってきました。



カチリ っとドアの鍵を開け、おじいさんがお店に入ってきました。


おじいさんはいつもと同じようにお店の掃除をしながらおもちゃに話しかけていきました。


そして、男の子の人形に
「おはよう。昨日の夜空はどうだったかい?。」

そう言って笑顔で うん うん とうなずきました。


おじいさんは何も言わない人形の頭をやさしくなでると

「そうか そうか 昨日の夜空がそんなによかったのか。
じゃあ、外の景色がよく見えるこの場所をお前さんの特等席にしよう。」


そう言ってまた笑顔で うん うん とうなずきました。



この日も いくつかのおもちゃが子供に抱えられお店から旅立って行きました。


だんだんとおもちゃが減っていきお店のなかは寂しくなっていきました。


そんなお店の中をおじいさんは涙のたまった真っ赤な目でながめ
「もう そろそろか…。」

とつぶやきました。







つづく