○大前研一

日経平均株価最高値更新は見せかけであり、日本をむしばむ根本的な問題を解決しない限り、失われた時代は今後も続く


株価の上昇は日本の実体経済が良くなったことが理由ではなく、アメリカの株高


世界中といっても、ヨーロッパは元気がなく、中国からはマネーが逃げている。そこで世界の投資家が選んだのがインドと日本。日本企業は相変わらず死に体だが天から精力剤を注入されたようなもの


日本人の失われた30年が続くと思う理由は、バブル崩壊に懲りた結果、変質してしまった日本人そのものが変わっていないから


政府が最優先で取り組むべき政策は(かつてのバブル時のような)日本人に欲望を取り戻させること。具体的にはお金を使いたい人の邪魔をしないことが大切。


日本人の欲望を刺激するために、欲がある外国人の人や企業を呼び寄せることも重要。オーストラリアやカナダはお金を持ち込んでくる外国人に永住権や市民権を与え、上昇志向が強い外国人には国費で教育を施し、成績が良い人を受け入れる


より根本的な政策は国民や企業の失われた欲望を喚起することである。より良い人生を謳歌したいという欲望に支えられて、消費や投資が活発になり、企業が利益を上げてそれを反映して株価が上がっていく〜この流れをつくれない限り、失われた30年は永遠に打破することができないことを、政府は自覚すべき