※本講演メモは副島隆彦氏の私見・独自見解をまとめたものであり、将来の運用成果や情勢を保証するものではありません。投資判断等は自己責任でお願いいたします。


1. 米国経済・金融政策・国債市場の危機

 公的債務と隠された米国債の規模

 米公的債務は表面上初めて40兆ドル(約6,400兆円)を突破したが、副島氏は「真の財政赤字はその10倍あり、その実体は米国債である」と指摘。  

 中国が4兆ドル(約6,000兆円)、日本が1.3兆ドル(約2,000兆円)の米国債を水面下で保有していると言及。  

 年間利払い費が1兆ドルを超え、国防費(1兆ドル/年)を上回っている点への危機感を強調。  

 FRBとトランプの対立(金利動向)

 トランプは「金利を下げるな。利下げしなければ貿易赤字国との取引を停止する」と要求しているが、FRBウォーシュはインフレ対策として2026年9月16日のFOMCで利上げ(米政策金利4.0%)を断行。米長期金利(10年債利回り)は一時5%を突破(直近4.93%)。  

 世界的な米国債の投げ売りと日本の苦境

 海外勢の米国債保有残高は2ヶ月連続減少(日中が主導)。  

 ノルウェー政府系基金(NBIM)が米国債約12兆円減・日本国債買い増しへシフト。デンマーク年金基金もトランプ政権との対立(グリーンランド問題)を機に米国債を売却。  

 ベッセント米財務長官は「日本に米国債を売らせない・介入させない」よう圧力をかけているが、日本側も外貨準備(証券約14兆円減)を原資に為替介入せざるを得ない構図。副島氏は「日本も米国債を売れ!」と強く主張。  


2. 金・銀市場と資産防衛(税金・実物保有の具体策)

 金(ゴールド)の価格見通しと現物回帰

 国際金価格は2026年1月29日に最高値5,626.8ドルを記録後、4,000ドル前後で底を打ち、「まず5,000ドルへ戻り、目標は1オンス=1万ドル」と予測。  

 国内小売価格(税込)は最高値30,248円から現在は24,000円台で推移。「1グラム=3万円に戻り、将来的に4万円を目指す」。  

 NY先物市場(ペーパー相場)の崩壊が進み、上海黄金交易所(SGE)やロンドンなど現物(直物)市場が主導権を握る。中国主要銀行(ICBC等)は個人向け取引を停止し、カラ売りを事実上規制。  

 欧州中銀(オランダ中銀、フランス中銀)が米国から金を自国やロンドン(BOE)へ引き揚げる動きが本格化。  

 米フォートノックスの金保有疑惑(ランド・ポール上院議員が視察するも、現代基準を満たす金は17%程度という疑惑)に言及。  

 銀(シルバー)への強い買い推奨

 金銀比価が一時1:100まで拡大したことから「銀は割安、盛り返す」とし、「銀は今の10倍になる。“貧乏人の金”であり、銀貨(カンガルー、ブリタニア、パンダ銀貨等)で持て」と推奨。  

 金・銀の実物購入・保管・税務のポイント

 形状の選び方: 「これからは1グラム単位の『金の粒』が買いやすく売却自由度が高い。また、海外でも通用する1オンス金貨(ウィーン、メイプルリーフ等)や銀貨を持て」と助言。  

 金売却時の譲渡所得税シミュレーション:

 取得価格不明時は売却額の5%が取得費とみなされ巨額課税されるリスクを解説。  

 5年以上保有(長期譲渡所得=課税対象が1/2)の活用や、毎年の基礎控除枠・小分け売却による所得税率コントロールの重要性を具体的な試算表で提示。  


3. 為替・株式・暗号資産およびAIバブル

 為替動向

 過去のプラザ合意や近年の介入実績(11.7兆円、15.4兆円規模)を引き合いに、「主要国で日本だけが安すぎる。ドル下落はアメリカの運命」とし、急激に1ドル=120円、さらに円高へ向かうとの見立て。  

 ベッセント財務長官の介入牽制発言(「胴元は私だ」)や日米金利差の縮小(日本の長期金利も一時3.0%突破)が背景。  

 AIバブル崩壊論とエヌビディア批判

 「AIバブルは半分弾け飛んだ」。「株なんて米国債市場に比べればダマしの隠れミノ」と一蹴。  

 日経平均(最高値72,831円から下落中)やNYダウに対して「今株を買うな、必ず暴落する」と警告。  

 エヌビディアのビジネスモデル批判: エヌビディアがOpenAIや顧客新興企業に出資し、自社GPUを買わせる構図は「ベンダーファイナンス(自作自演の循環投資)であり、自動車ディーラーのゼロ金利ローンと同じズルいやり口」と批判。  

 マイケル・バーリによる「供給不足が解消されればGPUのプレミアムが剥落し利益率が崩壊する」という指摘を支持。  

 スペースXのIPO(時価総額2.1兆ドル規模)も「錬金術」と断じ、火星移住から月面都市への方針転換やアポロ計画への懐疑論を展開。  

 思想的背景(新右翼・テック右翼)

 ピーター・ティール、イーロン・マスク、サム・アルトマン、ダリオ・アモデイ(アンソロピック)らに加え、思想的バックボーンであるカーティス・ヤーヴィン(暗黒啓蒙・新反動主義)やニック・ランド、アレックス・カープ(パランティア)に言及。彼らが「新型のディープステイト」化していると批判。  


4. 国際秩序・地政学(多極化と米軍撤退)

 米国の西半球への撤退構想

 将来的なJD・バンス政権下では、世界約600〜800箇所の駐留米軍が領土・領海・国境線(グリーンランド、南北アメリカ大陸、ハワイ、グアム、サイパンなどの西半球=ヘミスフィア)まで撤退し、アメリカ帝国は「地球の半分」に縮小すると分析。  

 第一列島線・第二列島線を含む西太平洋(ウエストパック)は中国の勢力圏・支配下に入ると予測。  

 中東情勢とドバイ不動産の凋落

 イラン戦争・中東紛争による報復攻撃で、富裕層が集まっていたドバイ(ブルジュ・アル・アラブ、パーム・ジュメイラ等)がドローン攻撃に晒されたことに着目。「虚栄の街から富豪が緊急脱出し、タワレジ・海外不動産バブルは急速に冷却した」と指摘。  

 非西欧陣営の結束

 SCO(上海協力機構)やBRICS首脳会議(ニューデリー開催)において、イラン攻撃への非難や米関税政策への対抗、脱ドル・独自金融システム(SCO開発銀行等)の構築が進んでいる点を取り上げる。  

 欧州の変容

 ドイツ(AfDの躍進)、英国(リフォームUK)、フランス(国民連合RN)など右派・ポピュリスト政党が台頭し、欧州白人の本音は「移民出て行け、これ以上入れるな」に集約されており、対外関与の余力を失っている。  

 ウクライナ停戦交渉を巡り、トランプ特使ウィトコフ氏やクシュナー氏がプーチンと極秘会談を行っている点に言及。  


5. 日本国内の政局・産業・国民生活

 政局・皇室典範

 高市政権は短命(来年まで)で、次は小泉進次郎へ移行するとの予測。  

 旧宮家からの養子縁組による男系男子継承案に対し、ヨーロッパ各国で女性君主(ベルギー、オランダ、スペイン等)が誕生している潮流を挙げ、「いずれ愛子天皇になるのが自然な流れ」との見解。  

 日本が誇る基幹産業の強み

 日本製鉄: USスチール買収(約3.6兆円)後に日本人技術者100人を送り込み、260項目の操業改善で黒字転換・利益1,800億円へV字回復させた手腕を絶賛。同社の「無方向性電磁鋼板(GOES)」は世界最先端であり、最先端EVや軍事兵器の製造に不可欠な戦略物資と評価。  

 軽自動車・軽トラ: スズキやホンダ(N-BOX)などの軽自動車は世界・米国でも極めて評価が高く(トランプも称賛)、BYDの小型EV(ラッコ)等に対して耐久性やリセールバリューで優位にあると強調。  

 空調機器: ダイキンの技術力を高く評価。欧州の猛暑で売れた中国製簡易エアコンに対し、ダイキンの本格空調が再評価されており、今後南米・アフリカ・中東で需要が拡大すると分析。  

 生活防衛・国内不動産

 高齢無職世帯の家計収支(夫婦で月約4.2万円不足、単身で月約3万円不足)を挙げ、「政府はこの不足分を『新NISAやオルカンで運用して増やせ』と国民を投資に誘導しているが、大損するだけである」と批判。  

 都心3区のタワーレジデンス(副島氏は「タワマンと呼ぶな」と主張)は、売出価格と成約価格の乖離が縮小し、天井を打って下落・調整局面に入りつつあると分析。