怪しい少年少女博物館2階右手奥にある妖怪のコーナーに展示をしているユージンの大映特撮シリーズ 妖怪百物語 其の二のシークレットで海坊主のフィギュア
正面に向かって左斜めから見た所。サイズは高さ約5cm、幅10cm、奥行き5cm。舟を襲って沈めるシーンでしょうか? でも、何だかのんびりした雰囲気でもあります
正面に向かって左側から見た所。頭から海草? 葉っぱ? が生えており、何だかトロピカルな感じもする海坊主君です
後ろ側から見た所。海草が海から上がって来るときに、頭に絡みついたのでしょうか? でも放射状ですし、頭の真ん中から生えているように見えるのですが・・・
後ろ側に向かって左斜めから見た所
正面に向かって右側から見た所。海の波を台座で巧みに表現しています
正面に向かって右斜めから見た所
海坊主の頭のパーツを取り外して正面から見た所。足のパーツが別に付属しており、それと組み合わせて単体で自立させる事も出来ます
首の正面を下側から見上げた所。頭だけのサイズは高さ約4.3cm、幅2.6cm、奥行き2.6cm
正面に向かって左側から見た所
目が血走っていますが、あまり怖くありません。本当はヤシの実の仲間じゃないの? なんてツッコミを入れたくなります
後ろ側から見た所。植木鉢に植えたくなります
正面に向かって右側から見た所
上から見下ろした所
台座にはクリアーパーツが使われています。底面には©️大映 YUJINの刻印が入っています
上記のフィギュアを展示している辺りの様子。後ろから2列目の左側に展示をしています
こちらは同じコーナーに展示をしているカバヤ 水木しげるの妖怪シリーズ 妖怪事典の海坊主の食玩フィギュアです。正面のやや上方から見た所で、2002年頃のものです
正面に向かって左斜めから見た所。サイズは高さ約5cm、幅5.6cm、奥行き4.7cm
正面に向かって左側から見た所。継ぎ目が露わなのが、ちょっと残念ですが、海の中から顔を出し、海水が流れ落ちて波しぶきをあげる様子が巧みに表現されています
後ろ側から見て右斜めから見た所。大きさの割に、とても軽量なフィギュアで、ちょっとピンポン玉っぽい代物です
後ろ側から見た所。©️水木プロ パイロットエースの表記が入っています
後ろ側から見て左斜めから見た所
正面に向かって右側から見た所
正面に向かって右斜めから見た所
真正面から見た所。ちょっとクラゲや地球外生命体っぽいです
正面の下側から見上げた所
似た形態の海坊主を、妖怪舎が水木しげる氏の監修でフィギュア化したものがありますが、それには次のような解説文が添えられていました
海坊主
海上に現れる妖怪で
巨大で、しかも黒いといわれている
目が光って くちばしのあるのも
あるが、目、鼻、口のない
ただの黒坊主の場合もある
現れたら見ないようにしなければ
見た者は、不漁か
海難事故に遭うといわれている
真上から見下ろした所
底面から見た所。全身がクリアー素材で出来ており、それを彩色して仕上げたものである事が良くわかります
上記のフィギュアを展示している辺りの様子。前列の中央付近に展示をしています
歌川国芳が東海道五十三対 ( とうかいどうごじゅうさんつい ) 桑名に描いた海坊主
大阪の船乗り桑名屋徳蔵と海坊主の伝説の場面を描いたものです。航海中に現れた海坊主に徳蔵はひるむことなく対峙した話で、宿場名の桑名と桑名屋徳蔵の逸話をかけたものです
江戸時代中期の絵師、北尾政美 ( きたおまさよし ) による黄表紙 夭怪着到牒 ( ばけもの ちゃくとうちょう ) に描かれた海坊主 。エラやヒレ、ウロコがある半魚人風の海坊主です
江戸時代の説話、奇譚集で著者不詳の奇異雑談集 ( きいぞうだんしゅう ) に描かれた海坊主の仲間と言える黒入道の絵
伊良虞のわたりにて、独り女房、船にのりて鮫にとられし事
独り女房 ( 船の乗員の中に女性が一人しかいない ) と言うタブーを破った為に、船は暴風雨に襲われ、海の中から黒入道が現れます。黒入道の頭は、人の頭の5〜6人分ほどもあり、目は天目 ( てんもく ) 茶碗の口のように光って、くちばしは長く、馬のようで、口の大きさは2尺 ( 約60センチ ) ほどでありました
女房は意を決して、念仏を唱えながら、海に身を投じます。すると黒入道は女房をくわえて差し上げて見せます。しばらくして波風は弱まったと言う話なのですが、もしかして黒入道って、ただの鮫のこと??
米国のブリガムヤング大学のハロルド・B・リー図書館所蔵の江戸前期の妖怪絵巻 化物之繪に描かれた海坊主。まるで大ナマズのUMAのようです
こちらは、水木しげる氏が描いたもの。以下の絵は昭和40年代の少年マガジン誌よりお借りしたものです
風が荒れ、波の高い大海に現れて船乗りをおびやかす。怒らせると、船もろとも、海底にひきずりこむ。と言う解説が添えられていました
「 海の大妖怪 海ぼうずの襲撃 」
海坊主は、日本海沿岸、特に佐渡島付近に現れる。この妖怪に襲われた船乗りたちは、船もろとも海底に沈み、生きて帰った者は一人もいない。そのため、海坊主の正体がどんなものなのか、まだ、誰にもわかっていないのだ。 と言う解説が付けられていました
海坊主は嵐の時に出ると言う話の他、凪の時に出ると言う話もありますが、嵐の時に出る海坊主の正体は、もしかして、多方向からの波が重なり合って生じる高い波で、あっという間にタンカーも沈める事があり、バミューダトライアングルの消失事件の一因ではないかと言われる三角波でしょうか?
「 一目でわかる日本のびっくり妖怪地図 」 の中に描かれた海坊主。新潟県に出る妖怪としています
佐渡島 の外海府海岸の小田辺りの海には立烏帽子 ( たてえぼし ) という得体の知れない高い怪物が出て、海から数十間も立ち上がったかと思うと、さっと船の方に倒れかかると言います
こちらは「 西洋妖怪と東洋妖怪 深夜の大血戦 」 という口絵の中に描かれた海坊主です。海の中ではなく、陸に上がり、木の後ろ側から覗いています。東洋妖怪側に描かれていました
こちらは漫画版の1978年の新ゲゲゲの鬼太郎に登場した海坊主です。海底都市に住む妖怪の一族で、みな同じ顔をしています
地殻変動で海底に空気のある洞窟が出来、そこに海難事故などで沈んだ者たちが住みつき、いつしか人間を食べる海坊主一族になったと言う設定で、大入道タイプの海坊主とは異なるアピアランスをしています
こちらはアニメ版のゲゲゲの鬼太郎に登場した海坊主です。先程の漫画版のお地蔵さんみたいな海坊主と違い、可愛いキャラになっています。画像は東映アニメーションのホームページよりお借りしました
海坊主って、どんな妖怪?
海中から現れる妖怪で、坊主や入道のような姿をしているので、海坊主と言われます
2017年12月26日にアップしたブログ 「 怪しい少年少女博物館付近の海にも出た!海坊主 」 でも海坊主を取り上げています。伊豆の海に現れた海坊主の話を中心にご紹介していますので、よかったらそちらもご覧下さい
海坊主は江戸時代から多くの文献に記されています。大きさは、小さな物から大きな物まであり、色々です。1713年成立の和漢三才図会には、坊主頭の人面のスッポンのような姿で、大きなものは五、六尺 ( 約150cm〜180cm ) としており、大入道タイプではないものが記されています
1837年の燕居雑話 ( えんきょざつわ ) には10尺 ( 約30m ) ほどの巨大な海坊主が、晴天で凪の日に、ごく稀に現れるとしています
寛政年間 ( 1789〜1801年 ) の閑窓自語 ( かんそうじご ) には大阪の貝塚辺りの海岸に全身が漆のように黒い、海坊主と言うものが出て、子供を取ることがあり恐れられていたと記されています
日本各地に伝わる海坊主の話
宮城県気仙沼市大島に伝わる話
夜、舟を漕いでいた男に美女に化けて泳ぎの競争を挑んだと言います
千葉県に伝わる話
柄杓を貸せと言って出る。底を抜いて貸さないと船を沈められる
三重県に伝わる話
「 柄杓を貸せ 」と言って海中から出る。貸せば、その柄杓で激しく海水をぶっかけて舟を沈めようとする。だから柄杓の底を抜いて貸すものだと言う
島根県に伝わる話
夜、浜辺を歩いていると何処からともなく巨大な黒いかたまりのようなものが来て、ヌルヌルと体をこすりつけ、海に引き込もうとした
徳島県・高知県に伝わる話
阿波と土佐の境の沖に高さ10尺 ( 30m ) ばかりの大仏のようなものが現れた、上の方は細く、下の方は裾のように広がっていて、頭のような部分もあるが、はっきりしない。それが船の先 五〜六町 ( 約550m〜660m ) ばかりの所を行く、しばらくして次第に薄くなり、どこへともなく消え失せた。船頭の、言うには、これを海坊主と言い、稀に見る事がある。必ず晴天で風のない日に出ると言う。 ( 燕居雑話より )
また、同じ四国の愛媛県には海坊主の話が多く伝わっているようですが、河童や舟幽霊の話と似通っているものもあり、混淆している伝承が多いようです
兵庫県明石市に伝わる話
海坊主が舟に乗る事がある。舟先に何か乗った感じがするが、行ってみても何もいない。こんな時には杓子で海水を汲み、舟先めがけて投げかけ、その杓子の底を抜いて海へ流す。海坊主は時化の日には出ないで、凪の日に限って出る
大分県に伝わる話
巨大で黒く、ヌルヌルしたものが海から出る。この時は話をしてはならないと言う
長崎県に伝わる話
長崎県五島の樺島では、海から出て来た坊主が人を海に引き込んだり、柄長で海水を舟の中に汲み入れたりする話が伝わっています
海坊主に出会った時には
海坊主に出会った時の対処方法については、新潟県では味噌を海中にまくと良いと言い、兵庫県洲本市では舟で一番大切な物を舟のミヨシ ( 舟の先に突き出た木 ) から投げると良いと言うようです。山口県萩市見島では、海坊主が舟に乗り込んで来た時は、包丁を砥石にかけて研ぐと海に逃げるとされていたそうです
海坊主の話には裸の坊主のようなものが群れで船を襲うと言う話も多くあるようですが、出会った際はタバコの煙が弱点なので、それを用いると助かるそうです
また、海上で海坊主に出会い、「 この世の中で何が一番恐ろしいか 」と問われて、「 世渡りが一番恐ろしい 」と答えると姿を消すと言う話は、伝説的な名船頭の桑名屋徳蔵の話等をはじめ、広く各地に伝わっているようです。千葉県に伝わる話では、大晦日に海に出たら入道が出て、「 お前は何が怖いか 」と聞いた。「 稼業ほど怖いものはない 」と答えたら消えたと言う話が伝わっています。話の原型は古く、12世紀末成立の宝物集に既に見られ、仏教的な説話が元になっているようです
海坊主関連のキャラ
海坊主を画像検索するとまず引っかかってくるのは、シティハンターの登場人物です。伊集院隼人の通り名が海坊主だからです。また銀魂には宇宙最強の掃除屋で、神楽と神威の父親の星海坊主が登場します
ゲゲゲの鬼太郎や妖怪ウォッチの他に、特撮物にもよく登場し、マグマ大使に登場したものは、交通事故で孫を失った神主の怨念が生み出した怨霊怪獣 海坊主で、日光のいろは坂に出現して車を襲いました
ウルトラマンレオに出て来た海坊主の正体はボーズ星人で、鉄人タイガーセブンにも海坊主原人が、宇宙刑事シャリバンにも海坊主が登場します
戦隊物では、忍者戦隊カクレンジャーや手裏剣戦隊ニンニンジャーにもウミボウズが登場しました
またゲームではドラクエ10等に青っぽい身体をした不定形のモンスターの うみぼうずが登場します
地球に100年前から来ていて、地球制服を狙っていた。石狩の海に潜み、周辺に伝わる海坊主伝説を隠れ蓑にしていた。右手の鞭が武器で、相手の首を締め上げる
海坊主については、沢山の伝承があり、大きさも出現タイミングも見た目も色々です。その正体も大型のクラゲや入道雲等の自然現象の見誤り等、ケースによって色々考えられますが、海の化け物の代表と言えるような存在と言えます。
海で遭難事故があった場合、それを海坊主の仕業と結びつけて考えるケースもあったと言えそうです
怪しい少年少女博物館の駐車場脇に咲いたツツジの花
今年はツツジが咲くのが早いです。弊館と同じ伊東市にある小室山では例年ゴールデンウィークの時にツツジ祭りが開かれるのですが、祭りの頃には、見頃は過ぎてしまっていそうです
ツツジの花言葉は節度や慎み。赤のツツジは恋の喜び、白のツツジは初恋です
次回もお化けや妖怪の話が続く予定です
次回の更新は、6月8日頃となる予定です