怪しい少年少女博物館2階右手奥にある妖怪のコーナーに展示をしている妖怪舎製 水木しげるの妖怪フィギュアコレクションの がしゃどくろ のフィギュア。正面やや上側から見た所
正面向かって右側のやや上方から見た所。サイズは高さが約4cm、幅6cm、奥行き4.5cmです
正面やや下側から見た所
顔のアップ。やっばり ちょっと怖いです!
正面向かって左側のやや下側から見た所
正面向かって左側のやや上方から見た所
背中側から見た所。ゴツゴツした背骨が、なかなかいい感じです
真上から見下ろした所
がしゃどくろ のフィギュアを展示している辺りの様子。がしゃどくろ は中心付近の前から2番目に展示しています
江戸時代末期の浮世絵師の歌川国芳の作品「 相馬の古内裏 ( そうまのふるだいり ) 」に描かれた巨大なドクロ。がしゃどくろ を描いた物ではありませんが、そのイメージのルーツとなったものです
「 相馬の古内裏 」と言う作品は、平将門の娘の滝夜叉姫( たきやしゃひめ )が父の遺志を継ぐべく、将門の乱の時に焼けた父の屋敷の廃屋で妖術を使って仲間を募り、弟と共に源家に復讐を企てると言うお話がベースです。この絵は、妖怪出没の噂を聞いた大宅太郎光国( おおやのたろうみつくに )が妖怪退治に向かい滝夜叉姫と対決する場面を描いたものです
原作は山東京伝 ( さんとうきょうでん )によるもので、本来は数百の骸骨が現れて合戦となるのですが、国芳はそれを巨大な一体の骸骨に大胆にアレンジしています
この骸骨は解剖学的に正しく、西洋の医学書を参考にしたのでは?と考える人もいるようです。ドクロには、不気味さの中に、とぼけたような味わいも感じられます
水木しげる氏が描いた がしゃどくろ。上の国芳の作品がベースとなっていると思われますが、星空がいい感じです。水木氏の近年の作品からです
がしゃどくろ って、どんな妖怪?
水木しげる氏は、がしゃどくろについて次のように解説しています。「 野原でのたれ死にした人々の怨みが集まると、がしゃどくろ と言う巨大な妖怪になると言う。昼間は姿を見せず、夜になるとどこからかガチガチと音をさせ歩いて、人を見つけると襲い掛かる。 」
これは、がしゃどくろの解説のオーソドックスなものですが、この他にも、生きている人を見つけると襲いかかり、握りつぶして食べてしまうとしている本もあるようです
実は昭和生まれの新しい妖怪?
がしゃどくろは、シンプルながら、ビジュアル的には、非常にインパクトのある妖怪と言えますが、伝承妖怪の研究本等をあたっても、その名は見当たりません。実は、伝承された妖怪ではなく、1960年代後半の児童向けの本で創作された妖怪だそうです
最初に登場するのは秋田書店が1968年に刊行した「 世界スリラー全集2 世界のモンスター 」の中で、斎藤守弘氏によるものだったそうです
そして、同時期に水木しげる氏や1970年代に数多く出版された怪奇系児童書の執筆者で知られる佐藤有文( さとう ありふみ )氏も取り上げ、その後両氏によって取り上げられ続けた為、メジャー化した物だそうです
見た目のインパクトで様々に展開
見た目の強烈さが受けたのか、その後様々な作品に登場するようになります。ゲゲゲの鬼太郎の他にも、妖怪ウォッチでガシャどくろ、ゲームの女神転生シリーズでガシャドクロ、特撮物の手裏剣戦隊ニンニンジャーで巨大妖怪ガシャドクロ、同じく戦隊物の忍者戦隊カクレンジャーで遠藤憲一氏が演じた貴公子ジュニアの真の姿のガシャドクロ等と派生しました
がしゃどくろは、昭和に創作された新しい妖怪ですが、そのインパクトあるキャラクターで既に市民権を得た妖怪と言えそうです