悲しみと魔の刻 飼育日記79日目 | なかいま ~ただこの瞬間を

なかいま ~ただこの瞬間を

なかいま

過去から未来へと、連綿と続く時間の中で、その「中」である「今」を生きる。という言葉です。

なかいまを生きるとは、今この瞬間の自分自身を、全力で経験するということ。

ハムスターのちょびのすけに、常に全力で振り回されています(笑)

昨夜、深夜に部屋んぽをさせた。


冷蔵庫の下の温かさにはもう用がないだろうと勝手に決めて、ノーガード。



ちょびのすけは、
はじめ、朝自分がかじった本のかけらの山を、
随分長い間見ていた。


敢えて片付けずに、
まとめて置いておいてみたの。
やっぱり、気になるのかな?



どんな気持ちなんだろう?



その後、本棚には入らずに、
しばらくウロウロした後、
リビングを走り回り、
それを微笑ましく見ていたら、
恐る恐るキッチンへ向かった。



そして、居なくなった。



冷蔵庫の下に入ったのは分かったけど、
すぐ出てくると思った。


ネットをしながら、待っていたけど
出て来ない。


だいぶ経ってから、
懐中電灯で、冷蔵庫の下を照らしてみた。

奥の、1段あがれるようになっている、
くぼみに入ってガジガジ何かかじってる。


こないだ、サポートセンターにも電話したし、
技術の人にも来てもらい、
ハムスターが入れる隙間はないって
保証してもらったはずなのに。


冷蔵庫業者に対する、不信感が一気に吹き出した。



呼んでももちろん出てこない。

懐中電灯で照らすと、様子をうかがいに前の方までやって来るけど、外には出て来ない。

そのうち、一段高いところに収まり、
ウトウトしだした。


薄暗い所が好きなんだから、
懐中電灯で明るくしてれば出てくると思ったので、
懐中電灯で冷蔵庫下を照らしっぱなしにしたけど
出て来ない。

揺らしたら、快適な場所じゃなくなるだろうと思い、
冷蔵庫を力任せに揺さぶった。

ちょびのすけは、やはり手前に様子を見に来たけど、
すぐに奥に引っ込んでしまった。


怖がらせて、逆効果になったかもしれない。



だんだん、悲しくなって、腹が立った。
何にかわからないけど。



ハムスターはニオイに敏感だから、
お香で燻しだそうとお香に火をつけた。






凄い強烈なニオイにハッとした。




私がつらい。
私がつらいということは、
ハムスターにとっては気を失ってもおかしくないんじゃないか。
体調崩したらまずい。


正気になって、火を消した。



諦めて、逆にキッチンからすぐ出られないように
ついたてをした。

リビングとキッチンのそばに扉があり、
私は扉の開閉時には、
ちょびのすけを部屋んぽさせたくないと思っている。



そして、リビングの電気を消した。



ケージがある部屋を薄暗くして
気落ちしたまま、
狭いからと箱にしまっていたグラスハーモニーのケージを取り出した。



もう、衣装ケースから脱走されないためには、
フタをほとんど閉めるしかない。
どうやって脱走しているのか、
もはやわからない。


私とちょびのすけに、衣装ケース飼育は
無理だということが、よく分かった。

ちゃんとしたハムスター用の
広いケージを買うことにした。


眩しいのが苦手なハムスターに懐中電灯をあて続けたり、
ニオイに敏感なハムスターをお香で燻そうとしたり。


私はなんて、なんて酷いんだろう。


なんて酷いことを、無邪気なちょびのすけに対してしているんだろう。



すごく悲しくなった。
自分の酷さに、とても悲しくなりながら、
衣装ケースから巣箱を取り出して、
狭いケージに移動させた。

衣装ケースが本当に広かったから、
その半分もないケージはものすごく狭くて、
こんなところに押し込まれるちょびのすけが
かわいそうで申し訳なくて、
なんてバカな飼い主なんだろうと
ぼんやり座り込んだ。



ちょびのすけを冷蔵庫下から出すことを諦めて、
お風呂に入ろうとキッチン前を通ったら、
暗がりで、ついたてを前に立ちつくしている
ちょびのすけが居た。


まるで、今度はキッチンに閉じ込められた事に
戸惑っているようだった。


ちょびのすけ、おいで。

手を差し出しても、
ちょびのすけは逃げてしまう。




何度も声をかけて、手を差し出すけど、
ちょびのすけは、逃げようとする。


それはそうだよね。
こんな飼い主イヤだよね。


泣きたくなった。
悲しい気持ちがあふれて
泣きそうになった時、
ちょびのすけは、差し出した私の手を踏んでから、
リビングへ向かった。



前にもあった。
私が泣くと、ちょびのすけは少しだけ
近くに来てくれる。





ちょびのすけは、ソファの下に行き、
そこで毛づくろいを始めた。

私の手の届かない場所。

呼んでも来ない。




様子を見ていたら、
今度はまた、カーテンをよじ登り始めた。
今朝、あんなにすごい音を立てて、
どたんと落っこちてたのに。

バカなの?
学習しないの?!

ちょびのすけは、とっても賢いと思っていたから、
ちょっと意外に思いつつ
慌ててソファの上から背もたれを越えて
必死でよじ登ってくるちょびのすけを、
無事、手ですくい上げた。



深夜3時だった。
魔の時間帯だからなのか、
私の行動は、魔が差したとしか思えなかった。




ちょびのすけの幸せが、何かちっともわからない。
危ないから、放し飼いをするわけにはいかないけど、
ちょびのすけが、自由にしたそうに見えて仕方がない。

自由にしたそうに見えるのは、
私がそうだからかもしれない。