バージニア州とメリーランド州に挟まれた小さな地区で、言わずと知れたアメリカ合衆国首都です。
そこには数多くの有名な記念館やスミソニアン博物館群、議会議事堂、ホワイトハウス、最高裁判所、公文書記録管理局、造幣局…と数え切れないほどの観光名所が詰まっています。
そしてナショナル・モールと呼ばれる国立公園を中心に、何もかも徒歩で観光して回ることができる!
しかもすべて無料!
駐車料金もかからなければ入場料もナシ。あ~素晴らしい。
久しぶりに観光らしい観光、、、
というか、到着した瞬間からマップを片手にどの順路で攻めるか!?と大興奮。
ここはまさに、大人のためのアミューズメントパークです!
書きながら思い出しただけでも楽しくなってきました。
![ニコニコ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/139.gif)
青空に映えるこの建物は、Lincoln Memorial(リンカーン記念館)。
この中に有名なリンカーン坐像があります。
階段を登りながら、ふと東大寺に大仏を拝みに行くような気持ちになりました。
眼下に広がるナショナル・モール一帯を静かに見つめるリンカーン。
どことなく物思いに耽っているように見えます。
そしてリンカーンの視線の先にあるのは、そびえ立つワシントン記念塔と、それを美しく映し出すリフレクティング・プール…のはずが、この日はプールの水が抜かれていました。
近くにいた警備員に聞いたら、藻が繁殖してしまったので掃除中だとか。
今日中にメンテが終了してすぐ水が張られる、なーんてことはないですよね?って控えめに聞いたら、「まさか!600万ガロンもの水が一晩で溜まるもんか!ガッハハハ」と笑われちゃいました。
そりゃそうだけど、ちょっと残念!
そしてマーティン・ルーサー・キングJr.が、あの有名な「I have a dream」の演説をしたのもここです。
階段の中ほど、キング牧師が演説を行った場所に名前が刻まれています。(よーく探してみないと見つけにくい)
その上に私も足を重ねて立ち、約50年前、リンカーン像を背に、ワシントン記念塔をはるか前方に、そしてその間を埋め尽くす群衆を前に、ここであの演説が行われたんだと思うと膝がふるえてきました。
ナショナル・モールには戦争に関するモニュメントもたくさんあります。
これはWorld War II Memorial(第二次世界大戦記念碑)越しにワシントン記念塔を見たところ。
全然1枚の写真に収まりきれていませんが (;^_^A 両端にアーチがあり、ひとつはAtlantic(大西洋)、もうひとつはPacific(太平洋)と刻まれています。
Vietnam Veterans Memorial(ベトナム戦争戦没者慰霊碑)には、刻まれた戦没者名が延々と続いています。
一生懸命に誰かの名前を探してる人たちや、名前の上に薄紙を当てて鉛筆でこすってトレーシングしている人までいました。
色んなモニュメントの中でも特に印象的だったのが、Korean War Veterans Memorial(朝鮮戦争戦没者慰霊碑)でした。
青空の下、平和な時間が流れる空間に、この兵士たちはタイムスリップしてしまったかのよう。
ここだけ異様な雰囲気が漂っています。
戦争は嫌だなぁ。
そのすぐ横には"Freedom is not free"という言葉が。
「自由はただではない。」
ここでは、韓国の自由を守るために朝鮮戦争で命を落としたアメリカ兵がいることを忘れるな、ということかな?
さらに追求すれば、「自由を手に入れるには犠牲をも惜しまない」ということか?
ナショナル・モールを歩き回っていると、「自由の国アメリカ」を築いた偉人と呼ばれる人たちがいかに「自由」を尊重し訴えてきたかを文字通り目にすることができます。
I hate war.
フランクリン・ルーズベルト大統領の言葉が刻まれた石。
F・D・ルーズベルト記念公園の中にあります。
ナショナル・モールを中心に西はリンカーン記念館、東は議会議事堂に囲まれたこのディズニーランドのような一帯は、端から端まで約3キロあります。
余裕で歩けるじゃん♪と思っていたのが、あっちをフラフラこっちをフラフラしているうちに、疲れきって足が棒になった…
それでも休憩を挟みつつ、次はホワイトハウスを目指します。
ホワイトハウスってバーンと目立っているのかと思いきや、敷地の広さや周辺のきらびやかで巨大な建物に圧倒されたからか、ついにたどり着いた時には「あれ?こんなだっけ?」
これは裏側ですが、ひっそりとシンプルな佇まいで、慎ましさすら感じます。
スミソニアン博物館群って、全部で16だか19だか(ちゃんと調べろって?)の博物館や美術館から成るそうです。すごい、全然知りませんでした。
これはキャッスルと呼ばれる本部。
自然史博物館は、入ったらT-Rexがドドーンと出迎えてくれるかと思っていたら、ゾウでした。。。
ここはやっぱり子どもに人気があるみたいで、館内はキッズだらけです。
どの博物館も5時半で閉館ということで、この後はアメリカ歴史博物館をほとんど小走りで見学。
じっくり見ることができなくて残念!
そして傾く夕日の中を、なんとか議会議事堂までたどり着きました。
USキャピトル(議会議事堂)、反対側の正面の方が立派ですが、裏側も夕日に染まってきれい!
周辺の迫力ある彫像も、夕日をうけてより躍動的に。
あ~結局、1日ですべてを回るのは不可能でした。
断念して帰って来ましたが、「やっぱりアレも見ておきたかった!」というものがいくつもあったので、2日後にまた行っちゃいました。
この日は雨。
まだ10月初旬なのに、コートに手袋、マフラーぐるぐる巻きでも寒い日でした。
まずはジェファーソン記念館へ。
中に堂々と立っているのは3代目大統領トーマス・ジェファーソン。
“建国の父”の一人で、アメリカ独立宣言の起草者です。
四方の壁にはジェファーソンの言葉や独立宣言のフレーズが刻まれています。
生命・自由・幸福の追求という奪うことのできない権利。
宗教的自由、思想の自由。
奴隷解放や教育の機会均等を訴える言葉、などなど。
今じゃ当たり前として捉えられていることも、こうして過去に懸命に働きかけてくれた人々のお陰なんだな~。
雨に濡れそぼるマーティン・ルーサー・キングJr.の像。
National Archives(国立公文書記録管理局)では、アメリカ独立宣言、合衆国憲法、権利章典の原本が一般公開されています。
シミのついた黄ばんだ紙に丁寧に手書きで書かれていますが、ところどころインクが滲んでいたり読めないほど薄くなっていたり。
劣化を防ぐために保管場所はかなり薄暗くされていて、写真撮影も禁止です。
それにしても随分並びましたが、貴重な文書を見ることができて感無量!
そして2日目のこの日も、結局時間がなくなって最後にスミソニアンの航空宇宙博物館を小走り見学するだけで終わっちゃいました。
最期にもういっちょ!と、セオドア・ルーズベルト記念碑を見にポトマック川に浮かぶセオドア・ルーズベルト島までドライブする頃にはもう真っ暗。
あーやっぱり2日あってもダメだ。。。
ワシントンDCに観光に行かれる方、かなり楽しい所なので数日は見込んで旅の計画を!
ここはアメリカ人じゃなくても、アメリカの歴史をあんまり知らなくても、十分に楽しめると思います。
アメリカの良い面だけを美しく立派に飾り立てたテーマパーク、といった雰囲気があることは否めませんが、全米各地を旅して「決して美しくはない現実」も目の当たりにしてきた後でここを訪れることができたのはよかった。
私たちのRV旅生活のクライマックスとも言える2日間でした。
それにしても、今の大統領選挙の支持率争いや足の引っ張り合いを見たら、建国の父たちはさぞかし嘆くだろうなあ。
誰が大統領に選ばれたとしても、いったん選ばれたらその人を国全体でサポートして前向きに進んでいくような国になってもらいたいです。