サスペンスものの作品なので、あまりネタバレになってはいけないと思い、ネタバレになりそうな部分は控えめに書いてますが、それでも気になる方はここより下を読むのを御遠慮くださいますようお願いしますm(_ _)m
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特殊犯罪捜索室に配属された心理分析官の天海と、元捜査一課の『預言者』の異名を持つ阿久津が追う、『悪魔』と呼ばれる男による猟奇的連続殺人事件を追っていた2人を待っていたのは、女子大生が犠牲となった新たな事件でした。
一見、『悪魔』の仕業かと見えた事件に天海と阿久津は違和感を覚え、捜査を続けて行来ます。
しかし、 早々に犯人の目星を付けながらも、真相をはぐらかす阿久津に苛立ち、時に彼や犯人の心理分析に集中しすぎる余り、頭でっかちな捜査をする天海は、進展しない捜査に焦りと不安を覚えて行きます。
それても必死に事件を追いかけ見えてきたものは。
『悪魔』になりたかった模倣犯と、神と慕う下僕による犯罪。
天海が子供の頃に巻き込まれた事件、 現在と過去の時系列。
腐敗した警察官と官僚が事件捜査を撹乱させ、全ての事件は模倣犯の仕業ではないかと思わせるミスリード。
そして、対立していた2人が心を通い合わせ、阿久津が隠していた真実が明かされた時、実際に『悪魔』が犯した事件と他の事件の、複雑かつ緻密にからみあった伏線が見事に回収され、衝撃のラストへと繋がっていきました。
予想外の真犯人に驚かされのたと同時に、犯罪を憎む哀しい犯行動悸が切なくて泣けました。
猟奇犯罪を犯していることを正当化するつもりはありません。
それでも、真犯人は本当に悪魔と言えるのだろうか? という思いが残るラストでした。
『悪魔』と呼ばれた男と言うよりも、神でも悪魔でも下僕でもなく、ただ犯罪によって大切な人を失った、哀しい連続殺人犯としか思えなく。
誰の中にでもある、 悪魔 ? 歪んだ正義感? 犯罪欲求? 名前の付けられない負の部分に負けてしまった人のように感じられました。
個人的には、権力や私利私欲のみで事件に関わる警察官と官僚や、模倣犯の方が余程悪魔と言えるのではないかと思います。
今回の登場人物で一番以外だったのが、『黒蛇』と陰で言われる大黒さん。
一番悪魔的な闇を抱えているように最初は思えたのに、 あっちこっちで色々な相手の弱みを握って脅しをかけているようなのに、大した悪事を働くこともなく、割と普通でちょっと拍子抜けでした(^^;;
今回の『悪魔と呼ばれた男』。
神永先生の作品では『コンダクター』以来、久しぶりにヒリヒリするような、読み応えのあるサスペンスものでした。
話の雰囲気も少し似ているかな?
デビュー15周年を記念する作品てした。
内容(「BOOK」データベースより)
空中に吊り下げられ、悪魔の象徴である逆さ五芒星が刻印された女の死体が発見される。秘密裏に警察が追うシリアルキラーの新たな獲物だ。警視庁は特殊犯罪捜査室を新設し、捜査一課のエース・阿久津と犯罪心理のエキスパート・志津香を抜擢する。二人を待ち受ける前代未聞の凶悪事件の真相とは?
講談社 (2018/9/5)
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