都立西東京高校のカースト上位のクラスの女王を贔屓し、カースト底辺の生徒をいじる最低の担任教師羽田が教壇で殺されているのを、生徒が見つけたところから物語は本格化していきます。
自らもイジメの経験があり、弱い者の見方である警察官でありたいと思っている女性刑事永沢南が、1ーD組のクラス委員磯神ことりの立ち会いの元で、クラス全員から事情聴取をすると、見えてきたのは殺人容疑者となりそうな生徒多数と同僚教師数人。
連日にわたる事情聴取が続く中。
保健医を通して告白をする行為の流行を利用して、ある子へ届いたカースト女王の恋人からの告白と裏切によるイジメの開始(もうほとんど暴力と言っていい (ー'`ー;))。
イジられ役から、カースト上位へと成り上がる下剋上。
裏切られたものが、裏切ったものへの復習。
容疑をかけられた教師(羽田殺害犯)による第2の殺人事件と自殺。
クラスのトップに君臨していた女王のカーストからの転落。
数々の傷害事件と少しずつ負の連鎖が繋がっていき、クラス内の力関係の変化と学級崩壊へと続いて行きます。
一寸先は闇。
ほんの些細なことでカーストの順位が変わったり、強い者同士の裏切りや、傷害事件を引き起こす切っ掛けは自業自得な部分はあっても、弱いものが強いものへと刃向かって行く姿は、窮鼠猫を噛むじゃないですけど、追い詰められた者の怖さがありました。
そしてラストには、全ての事件の引き金を引いた「黒幕」の存在が明らかとなります。
クラスの問題児(ゴミ)を捨てようとしただけと言いながら、自分では表立って手を出すことをせず、裏から保健医を操っていたり(当の保健医は自覚なしなのがまた怖い)、人を陥れることで全てを排除し、自分を平然と神と言い切るあたりが、怖さ底知れぬ怖さと言うか恐ろしかったですね Σ(||゚Д゚)ヒィィィィ
しかも事件の捜査に当たった南に対して、「同じような立場の人間だと思った」、「心の中では、自分を虐めた相手に復習したいと思っているはずだ」と、唆し自分と同じ側に引き込もうとする姿は、神と言うよりは羊の皮を被った悪魔の様でした。
「黒幕」が今後も、自分には不要なものを(それが喩え家族であっても)、普通にゴミを捨てるように、淡々と排除し続けていくのかと思うと恐ろしい。
事件後1ーD組からカースト上位者がいなくなっても、過去にあったことは残るのであって、その後のクラスの様子を知りたいという思いはありつも、個人的にはあまり気持ちのいい、読後感とは言えないイヤミスでした。
学校生活の全てが楽しい訳ではありませんが、こんなクラスがあったら嫌ですね(ー'`ー;)
クラスの女王に媚を売り、カースト底辺はイジり倒す。それが殺された人気教師の素顔だった。犯人候補は多数。警察が捜査を始めた矢先、保健室に謎の手紙が届きだす。明かされる上位メンバーの過去、裏切り、そしてイジられ役からの悪魔誕生。1年D組に復讐ゲームが広がる中、第二、第三の死者も発生し…。すべてを計画した“神”は誰だ?衝撃的結末の学園バトルロワイヤル!
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