この頃、私は義之くんの家によく泊まりに行った。

いつからか体の関係も始まった。


義之くんの家に泊まるときは

いつも私がご飯を作り、二人で食べた。

料理は得意じゃないけど、義之くんはおいしいと

言ってくれるので、嬉しかった。


だんだんと会えない郁くんよりも

会える義之くんのことを考えることが多くなった。


それでも、友達にどっちが好き?と聞かれると

私は自然と郁くんの名前を言っていた。


郁くんは、私の手の届かない人で、絶対に付き合えない人。


絶対に無理だから、こんなに好きなのかな?

絶対に無理なら・・・諦めたほうがいいんだよね。

もっと好きになる前に諦めなきゃ。


そう思い、郁くんに連絡をするのを止めた。


それからはもっと義之くんと遊ぶようになったけど

義之くんと遊んでいても

義之くんはよく1人の女の人の名前を出した。

きっとその人が好きなんだろうなと思った。

私とは体だけの関係・・・。


カイくんの言葉を思い出す。


カイ 「やるだけじゃないしね」


いつも私は体だけだな。

どんなにほしいと思っても、いつも心は手に入らない。

私の何がいけないんだろう。


そんなことを考え、義之くんとも遊ぶのを止めた。


私は誰からも愛されない女なんだ。

誰も、私のことを本気で好きになる人なんていないんだ。


そんなことばっかり考えるようになり

だんだんと私は塞ぎこんでいった。


そんなとき、久しぶりに郁くんから連絡がきた。


郁 「東京に行くことになりました。」


ただそれだけのメール。


それを見た瞬間、すごく後悔した。

本当に二度と会えなくなる・・・。


そう思とすごく悲しくなり、郁くんに電話をした。


郁 「久しぶりだね」

綾乃 「うん・・・さっきのメールは本当?」

郁 「うん」

綾乃 「いつ行くの?」

郁 「来月だよ」

綾乃 「すぐだね」

郁 「そうだね」

綾乃 「お店はいつまで?」

郁 「ギリギリまでいるよ」

綾乃 「そっか・・・」

郁 「今度、遊ぼうか」

綾乃 「いいの?時間ある?」

郁 「大丈夫だよ」

綾乃 「いつ頃?」

郁 「来週なら大丈夫だよ」

綾乃 「じゃあ、来週ね」

郁 「また、連絡するね」

綾乃 「うん、わかったよ」


そう言い、電話を切った。


声を聞くとどうしても、好きとゆう気持ちが大きくなる。

もっと早く好きって言えばよかった。

ダメでも、私の気持ちを言えばよかった。


カイくんのときに、好きと言えなかったことをとても後悔したので

次に会ったとき、郁くんに告白しようと決めた。










順調にいっていた日々だった。


でも、美香がお気に入りのメンパブの男の子に

振られたことで少し変わった。


美香 「私、もうあの店には行かない」

綾乃 「そっか・・・」


それしか言えなかった。

美香が今まで一緒に行ってくれていたので

1人で行く勇気がなかった。

郁くんが他の子の相手をしている間、私何してればいいんだろ?


そんなことを考えていて、なかなかお店に行けなった。


たまたま郁くんのお店の近くを通ったとき

電話を掛けてみた。


郁 「もしもし?」

綾乃 「元気~?」

郁 「元気だよ~」

綾乃 「今ね、近くを通ってるの」

郁 「そうなんだ?来ればいいじゃん」

綾乃 「いやぁ~、行きたいんだけどさ」

郁 「どうしたの?」

綾乃 「一人だし・・・」

郁 「いいじゃん、一人で」

綾乃 「寂しいからヤダ」

郁 「・・・じゃあ、お店に入らなくていいから

   ちょっと寄ってよ」

綾乃 「うん・・・」


お店のドアの前で郁くんは待っていてくれた。


郁 「久しぶりだね」

綾乃 「うん」

郁 「もうお店来ないの?」

綾乃 「1人で来る勇気ないな」

郁 「じゃあ・・・また外で会おう」

綾乃 「外って?普通に遊ぶってこと?」

郁 「うん」

綾乃 「いいの?」

郁 「なんで?いいよ」

綾乃 「ちょっとギュってしてもいい?」

郁 「あはは、急にどうしたの?」

綾乃 「・・・なんとなく」


郁くんに会ってわかった。

やっぱり私は郁くんのことが好きだって。


義之くんのことも気になっていたけど

好きなのはやっぱり、郁くんなんだって。


わかったはずなのに・・・

どうしても、義之くんのことも手放せなくて

私は、二人の間をフラフラしていた。






これで義之くんとも終わりかなぁと思った。


でも、次の日には義之くんから電話がきて

普通に話してるうちに、だんだん元通りになった。


それからまた毎日のように義之くんと電話で話をした。


綾乃 「今、見たい映画あるんだよね」

義之 「なに?」

綾乃 「○○」

義之 「あ、俺見に行ったよ」

綾乃 「そうなの?おもしろかった?」

義之 「うん、おもしろかった」

綾乃 「いーなぁ」

義之 「一緒に行く?」

綾乃 「見たんでしょ?」

義之 「見たけど、また見てもいいよ」

綾乃 「えー・・・でも悪いな」

義之 「いいよ!行こう」

綾乃 「うん、行く」


義之くんと映画を見に行く日

なんだか、普通のデートっぽくてドキドキした。


待ち合わせの場所に着くと義之くんはもう着いていた。


綾乃 「おはよ~」

義之 「おはよ、じゃあ行きますかぁ」

綾乃 「うん」


男の子と二人で映画を見に行くのは初めてだった。


映画はともて感動して泣きそうだったけど

泣き顔は見せられないと思い

なんとか我慢した。


映画が終わり


綾乃 「あ~いい映画だった!」

義之 「うん、これ二回見てもおもしろいわ」

綾乃 「よかった」

義之 「これからどこ行く?」

綾乃 「ん~」

義之 「ビリヤードやったことある?」

綾乃 「ううん、ない」

義之 「行かない?」

綾乃 「いいよ」


そう言い、ビリヤード場へ向かった。


綾乃 「初めてやるからまったくわかんないよ」

義之 「教えてあげるから」


まず、義之くんにやり方を一通り教えてもらい

実際にやってみると、どうも思った通りに玉は転がってくれない。


綾乃 「難しいね」

義之 「最初はね」


それでも、奇跡的に玉が入ったりすると

すごく興奮してはしゃいだりして楽しかった。


綾乃 「・・・これ無理じゃない?」

義之 「ん~・・・」


義之くんの順番になったとき

玉は、一列に白い玉、邪魔な玉、狙ってる玉と並んでいた。

まっすぐに打つと、邪魔な玉に当たってしまうので

私は、まず当たらないだろうなと思っていた。


でも、義之くんが打つと、玉はジャンプして

邪魔な玉を飛び越えて狙ってる玉に当たり

そのままポケットに落ちた。


綾乃 「すごい!!超かっこよかった!」

義之 「うまくいってよかった」

綾乃 「すごいよ!私もやりたい~」

義之 「綾乃にはまだ無理だよ」

綾乃 「そうですよね」


絶対無理だと思っていた玉が入り

あまりのカッコよさに惚れそうになった。


義之 「そろそろ出る?」

綾乃 「うん」

義之 「これからどうする?」

綾乃 「座れる場所に行きたいな」

義之 「じゃあさ、パフェ食べたい!」

綾乃 「パフェ?いいよ」

義之 「女の子と一緒じゃなきゃ食べれないからね」

綾乃 「あはは、なんで?食べればいいじゃん」

義之 「恥ずかしくて無理」


男の子って変なこと考えるんだなぁと思った。


それから二人でパフェを食べながら話をして

とても楽しい一日が過ぎていった。


綾乃 「そろそろ帰るね」

義之 「うん」

綾乃 「今日は楽しかったです」

義之 「またどっか遊びに行こうね」

綾乃 「うん」


義之くんと別れ

1人で今日の出来事を思い返しては

にやけながら家に帰った。