柳 「ほらね、やっぱり知らないしょ?」

綾乃 「うん・・・わかんない」

柳 「柳ってもう1人いたからね」


柳くんってゆう人が同級生で二人いたとは

このときまで知らなかった。

よく話を聞くと私たちのクラスはとても離れていて

すれ違ったことくらいはあるだろうけど

話をする機会はまったくなかった。


綾乃 「それは知らないはずだよね」

香織 「知り合いじゃなかったんだ」

綾乃 「うん」


私はそれよりも柳くんの隣に座っている男の子が

とても気になっていた。

どっかで見たことある気がする・・・。


綾乃 「ねぇ、名前なんてゆうの?」

柳 「浩介だよ。昔一年だけ同じ学校だったんだ」

綾乃 「え?もしかして田所くん?」

柳 「あれ?知ってるの?」

綾乃 「だって、その一年間同じクラスだったもん!」

田所 「俺も覚えてるよ」


とてもなつかしい再会だった。

小学3年生のときに引越ししてきて

小学4年生になるときに引越ししていってしまった人だった。

その頃はそこそこ仲がよく、けっこう一緒に遊んだりしていた。


久しぶりの再会に話がはずむ。

昔の友達の名前がたくさん出てきて

とても楽しい時間だった。


柳 「家も近いなぁ」

綾乃 「まぁ、そうだよね」

柳 「また遊ばない?」

綾乃 「いいよ」

柳 「じゃあ電話番号教えて?」

綾乃 「うん」


家まで送ってもらい、

私はみんなとまた遊ぼうと約束して家に帰った。


次の日柳くんから電話が掛かってきた。

柳 「これから出かけるんだけど来ない?」


そう言った場所は車で一時間ほどかかる

大きなデパートだった。


綾乃 「あ~、いいよ。ちょうどたこ焼き食べたいと思ってたんだ」

柳 「マジで?俺もたこ焼き食べに行こうと思ってたんだよね」

綾乃 「おぉ~すごい!」


この頃、有名なたこ焼き屋さんはそのデパートにしかなく

なかなか行く機会がなかった。


柳 「彼氏いないの?」

綾乃 「いないよ~、誰か紹介してよ」

柳 「いいよ、俺の大学男ばっかだから」

綾乃 「ホント?やったぁ~」


この先に待っている出会いに期待をし

また、人生って悪くないかも・・・

そんなことを思っていた。







龍介くんに電話してから何日か過ぎて

私は今までにないくらいに落ち込んでいた。

気づいていなかっただけで、龍介くんは私の中で

とても大きな存在だった。


毎日辛くて、悲しい日々を送っていた。


そんなときに高校のときの友達の

香織から電話が掛かってきた。


綾乃 「久しぶりだねぇ」

香織 「元気だった?」

綾乃 「う~ん、そこそこ」

香織 「なんだそれ」

綾乃 「あはは」

香織 「そういえばこの前、飲み会で綾乃と同じ

     中学校だった人に会ったよ」

綾乃 「えっ?私知ってるかなぁ」

香織 「その人に綾乃のこと聞いたら知らないって言ってた」

綾乃 「なんて名前?」

香織 「柳くんって人」

綾乃 「あ?知ってるよ。同じクラスになったことあるもん」

香織 「あれ?でも綾乃のこと知らないって言ってたよ~」

綾乃 「・・・感じ悪いね」

香織 「あはは」


そんな会話をして、今度飲みに行く約束をした。


香織と飲みに行く日、私は仕事が遅くなり

ちょっと遅い時間から飲みに行った。


綾乃 「あっ久しぶり~」

香織 「お待たせ」

綾乃 「じゃあ、行こうか」


香織と久しぶりに会い、楽しい時間を過ごした。


綾乃 「あ、ヤバイ」

香織 「何が?」

綾乃 「バスなくなっちゃう」

香織 「あぁ、大丈夫だよ」

綾乃 「なんで?」

香織 「この前話した柳くんがきっと迎えに来てくれるよ」

綾乃 「は?」

香織 「前に話したとき、そういうときは

     迎えに来てくれるって言ってたよ」

綾乃 「え~、そんなことする人なんだ」


私と柳くんは同じクラスだったけど、あまり話したことはなかった。

でも、そんな女の子の送り迎えをするような人ではなかった。


香織はさっそく柳くんに電話をして迎えに来てくれることになった。


少し待っていると目の前に車が止まった。


香織 「あっこれだ」


そう言って車の扉を開け、香織は車に乗り込んだ。

私も続いて車に乗り込むと運転していた男の人が振り向いた。


綾乃 「・・・・え?誰?」


その人はまったく知らない人だった。