千鶴 「久しぶりだね」

綾乃 「うん・・・」


千鶴ちゃんは私たちの関係には気づいていないけど

すごく気まずかった。


私たちはお互いの近況を報告し合った。

そんなとき、千鶴ちゃんが


千鶴 「私は早く離婚したいんだけどさ・・・」

綾乃 「ん?」

千鶴 「龍介が離婚したくないって言い出して」

綾乃 「は?」

千鶴 「今さらどうしたのか、言い出したんだよね」

綾乃 「あ・・・そうなんだ」


それからの話の内容はよく覚えていない。

龍介くんが離婚したくないって言ってる。

とてもショックだった。


それから何日間かずっと考えていた。

私のこれからのこと。


そうして、私が出した答え。


龍介 「もしもし?」

綾乃 「元気?」

龍介 「元気だよ~」

綾乃 「あのね・・・」

龍介 「ん?」

綾乃 「・・・私、龍介くんにもう会わない」

龍介 「どうしたの?急に」

綾乃 「このままだと、龍介くんのこと好きになっちゃうから」

龍介 「・・・普通の友達に戻ってもダメなの?」

綾乃 「もう、無理だよ」

龍介 「・・・・」

綾乃 「ね?もうやめよう」

龍介 「もう、何を言っても無理?」

綾乃 「・・・うん」

龍介 「そっか・・・」

綾乃 「・・・」

龍介 「綾乃、幸せになるんだよ」

綾乃 「なんでそんなこと言うの」

龍介 「綾乃はいい子だから、絶対幸せになれるよ」

綾乃 「・・・うん」


私は耐え切れなくなり、電話を勝手に切った。

電話を切った瞬間に涙がどんどん出てきて

声を出して泣いた。


どうしてみんな私の側からいなくなるんだろう。

カイくんも、龍介くんも、ずっと変わらずに

友達でいられると思っていたのに・・・

一生、仲良くしていられると思っていたのに。


辛いときに側にいてくれた龍介くんを失ったことは

私にとって、ものすごく辛い出来事だった。

カイくんを失ったときに側にいてくれた龍介くん。

でも・・・龍介くんを失った今、側に誰もいてくれない。

今まで付き合ってきたどの彼氏を失ったときよりも

悲しくて、辛かった。


今までしてきたことの罰かな。

誰も私のことを好きになる人なんていないんだ。

これからも、私はずっと1人なんだ。


龍介 「おじゃまします」


龍介くんが来てから緊張のしっぱなしだった。

とりあえず普通の話をしていたけど

いつもとは違う空気だった。


なんとなく聞きづらくなっていた

千鶴ちゃんのことを聞いてみた。


綾乃 「千鶴ちゃんとはどうなったの?」

龍介 「離婚すると思うよ」

綾乃 「そっか」


やっぱりどうしても罪悪感がある。

それなのに、どうして私は龍介くんを

受け入れてしまったのだろう。


夜中の2時くらいになり

龍介 「そろそろ寝る?」

綾乃 「うん」


二人で布団に入った。

龍介くんは腕枕をしてくれた。


私はドキドキしすぎて心臓が爆発しそうだった。


龍介くんが私にキスをする。

昨日から忘れられなかった、何度も思い出したキス。


そうして私たちは初めて抱き合った。


龍介くんとのエッチは、今までの人とは

まったく違い、気持ちよすぎてどうにかなりそうだった。


お互い夢中で抱き合い、気づくと

もう、朝の6時だった。


綾乃 「すごくない?4時間だよ」

龍介 「そんなに時間経ってると思わなかった」

綾乃 「ねー」

龍介 「綾乃寝れなかったけど仕事大丈夫?」

綾乃 「私は大丈夫だけど、龍介くんこそ

     これから自転車で帰らなきゃいけないのに」

龍介 「本当にこれだから田舎は困るよ」

綾乃 「田舎じゃないです」

龍介 「ウソウソ」

綾乃 「気をつけてね」

龍介 「うん」


最後にまたキスをして龍介くんは帰っていった。


どうせ7時には起きなくちゃいけないんだから

起きてようと思い、ベットの上でボーッとしていた。


さっきまで会っていたのに

もう、龍介くんに会いたいと思っている自分がいた。


好きになっちゃったかも・・・


初めて龍介くんに恋愛感情を持ったときだった。


一度好きと思うと止まらなくなり

私は永井くんに別れを告げ、

龍介くんとたまに会うようになった。


龍介くんに恋愛感情を持つなんて考えたことなかった。

それが、今では会いたくてたまらなくなっている。


私はだんだんと早く離婚してほしいと思うようになっていた。

そんなときに千鶴ちゃんから電話がきた。




朝起きてからも考えてることは

昨日の龍介くんとのキスのこと。


龍介くんは夜中に自転車で帰っていった。


ただのキスなのに、なんでこんなに思い出すんだろう。

カイくんと初めてキスしたときとは違い

なんともいえない、複雑な気持ちだった。

今までの人とのキスをこんなに思い出すことはなかった。


千鶴ちゃんが昔、龍介くんはキスが上手いと言っていた。

私は、どんなキスが上手くてどんなキスが下手なのかが

よくわからなかった。


でも、あれが上手いキスなのかぁ。


仕事中も昨日のことを思い出しボーッとしてしまっていた。


休憩時間になり携帯を見た。


龍介くんからメールだ・・・

そう思い、メールを見た瞬間ドキッとした。


龍介 「昨日、綾乃とエッチしたかった。」


それだけのメール。

すごくドキドキして、休憩室をウロウロしていた。


どうしよう・・・

なんて答えればいいんだろう。


休憩時間いっぱい考えて出した答えは


綾乃 「いいよ」


それだけのメールを送った。


このときの私は龍介くんを好きだと想う気持ちはなかった。

ただ、龍介くんに対して、

今まで誰にもなったことない気持ちはあった。

なんとも言えない気持ち。

口に出して、うまく説明出来ないけど

龍介くんのことを、恋愛感情はなかったけど

他の誰よりも大切に思っていた。


仕事が終わり、メールを見てみると

龍介くんからまたメールが来ていた。


龍介 「今日、綾乃の家行ってもいい?」


昨日も来て、夜中に帰ったから

あまり寝てないはずなのに・・・


綾乃 「いいけど、大丈夫?眠くない?」


そうメールを入れると電話が来た。


龍介 「大丈夫~」

綾乃 「だって、明日だって仕事でしょ?」

龍介 「そうだけど、大丈夫だよ」

綾乃 「龍介くんがいいならいいけど・・」

龍介 「じゃあ、後で行くね~」


そう言い、電話を切った。


私も寝不足だったので龍介くんが来るまで

少し眠っていた。


そして、龍介くんから着いたと電話が来た。