10年ぐらい前のことだと記憶していますが、東大医学部の教授が霊や霊界の存在を肯定するかのような著書を出版し、物議を醸したことがありました。


当時と比べて今もそんなに世間の風潮は変わっていないと思いますが、その時も自分は唯物論の牙城みたいな東大で不思議な先生もいるものだなあ〜ぐらいな感覚でしかありませんでした。


今回、その著者である矢作直樹氏の本を人から勧められて読む機会があり早速一読してみました。


当時、東大の教授とあろう人がオカルト本を出すなどおかしいのではと嘲笑されもしましたが、読んでみて分かったのは、極めて真面目に誠実に実体験に基づいて書かれたものだということです。


東大医学部附属病院集中治療部部長として、実際に運び込まれた患者達を治療する中で、科学や医学では説明できない体験を矢作氏はしています。


それがどんな体験だったかは長くなるので省きますが、ある意味昔TVでよくやっていた、心霊番組の霊に憑依された的なものを、患者の1人に見たわけです。


ただし矢作氏が違ったのは、それを真面目に解明しようと試みたわけです。


その不思議な体験を解明するため、古今東西の心霊や宗教に関する本を読み、また近代に起きた欧米のスピリチュアリズム運動にまで研究対象となりました。


そういった研究の中で矢作氏は霊や霊界の存在を次第に確信していったといいます。


目に見えない世界のことではありますが、科学で解明されていないからといって、それが実在していないということにはなりません。


矢作氏はそういった心霊の世界を否定する者は、科学医学万能主義という唯物論を信仰しているからではないかと説いています。


つまり唯物論教という信者なので、見えない世界は脳が作りだした幻覚や幻、というわけです。


矢作氏は更に著書の中で、この世界この宇宙には大いなる意志、摂理とも真理とも呼ばれるものが存在しているのでは?と示唆しています。


またそれは人間の心に宿る良心の存在がそれにつながっているのでは、と提示しています。


物理学者も宇宙には意思がある、と言っている人もいますし、また仏教でいう仏性も宇宙の意識と繋がっているという意味だ、という人もいます。


まあ、死後の世界を信じたところで何も害はないですし、更には天国地獄があると思っている人は、地獄に堕ちないためにより良い生活を心がけるでしょう。

そういう意味では、魂や霊界があると思った方が幸福な人生がおくれそうな気がします。


ぜひ唯物論者にも読んでもらいたい一冊です(笑)


イラストは最近かいたもので題名はシエスタです。

天国もこんな世界だとよいですね。