母は無言で私を睨んで居間に戻った。

心臓を何かで突き刺されたような息苦しさだった。

左の頬がひりひりした。

姉はごめんね、と何度も慰めてくれたが、

その言葉を言って欲しい相手は目の前にはいなかった。

 

「私じゃないのに、何で…」

 

肩を震わせ嗚咽しながら、目の前のテーブルに拳を何度も叩きつけた。