太古の昔から
私たちには

生物
無生物

見えているモノ
見えていないモノ
万物に
心を合わせ

心を通わせたり
声を聴いたりする
力が備わっていた
 

それを
【モノと恋い(乞い)合う力】
と呼んだのは
民俗学者で歌人の
折口信夫さんだったか…

 

先日
台所で洗い物をしているとき
ベランダから
二羽のカラスの
言い争う声がした
 

「ギャー、ギャー、ギャー」
「ギャー、ギャー、ギャー」
 

いつもは、
ご機嫌うるしい黄門様のような
「かーっ、かっ、かっ、かっ、かー」
だったり、

美味しい食べ物にありついて、
とても満足げな
「ほわっ、ほわっ、ほわっ」
と声をあげたりしている
 

今日はなんだか
怒り心頭
穏やかじゃないわね
と独り言ちていたら


居間で
宿題をしていた7歳の息子が
「ギャー、ギャー、ギャー」と
声真似をし始め、
「今日のカラスは
何か怒っているね」と
伝えてきた
 

それを聞いて
「ほぅ~」と
心がほわほわした。
 

「ギャー」という言葉の始まり
K音は
喉の奥をいったん閉じて
その接着面に強い息をぶつけ、
ブレイクスルーして出す
【喉の破裂音】


K音を発するときの
口や声帯周りの
物理現象から生じる
発音体感は、
硬さ、強さ、速さ、ドライなどの
イメージを脳に伝える
 

それに濁点がついて
「G」音になることにより、
胸郭周辺に音が増幅され
重厚感が増す


攻撃的な印象
力強さが倍増される音
なのです


怪獣の名前や
戦隊モノに「G」音が
付けられるのは


私たちの脳内で
【攻撃的で
戦ったら強そうなイメージ】を
勝手にインストール
しているからだと
マーケティング業界では
分析されています



息子は
鳴き声を真似て
発音することで
カラスの状態を
 

脳の中で
「怒り」というイメージに
結び付けて


「怒っているね」と
判断したのです
 

日本語の音の響きの
面白さを
改めて再認識しました



「祓い」という書籍の中で


【日本語脳という概念の中で
自然とは、神とは
どういうものなのかを掴む

 
そういう方法論が
日本語の中にあるのではないか】


【日本語とは
神とコミュニケーションをとる
ひとつの言葉】
 

ということを
伝えてくれています



コミュニケーション・ツールとして
日本語を使うだけでは
もったいない


幽と顕
両方に響き合う
日本語の調べが
あるということ


先人たちが
私たちに伝えてくれているものを
ちゃんと受け取って
 

次の世代へと
伝え継ぐことを
しっかり取り組んでいきたいなと
思う