3月7日 水曜日



今年度最後の小学校での読み聞かせでした。



教室に入るその直前までこの本を読むかどうか悩みました。



3年生の教室。



選んだのは「タンポポ あの日をわすれないで」(光丘真理 文 山本省三 絵 文研出版)



作者が宮城県南三陸町の小学校で出会った子ども達と校庭に咲いていたタンポポから生まれたお話です。



東日本大震災から1年と言うタイミングで、リアルに地震と津波を描写した絵本を朝から読むことに本当に悩みました。



でも、数日前の新聞記事がどうしても頭から離れず、やっぱり読もうと思いました。



被災し県外に避難を余儀なくされた子どもたちが、その転校先でいじめにあっている・・・・。



深呼吸をして、明るい声で読み始めます。とにかく泣いてしまわないように。だって、最後はタンポポがいっぱいに咲き乱れ、明るく可愛い絵で締めくくるのですから!!!



案の定、読み進めていくと、子どもたちの目にはみるみる涙があふれていました。頭を体育座りしている膝の中にうずめて聞いている男の子もいました。



本来、読み聞かせのときに本の解説や意図をお話することはしません。



でも、この日はあえて「この本を読むことを悩んでいたこと」を伝え、新聞記事も読みました。



「小学生のみんなは東北に行って復興のための目に見えるお手伝いはできないと思います。でも、この本と記事のお話を聞いてみんなに出来ることがあるとわかってくれると思って読みました」



そう伝えました。



楽しい読書の時間のはずが・・・ごめんね、みんな。



フォローしてくださった担任の先生、ありがとうございました。



来年度、みんなが4年生になったときは楽しいお話を持っていこうと思います。