(ⓒAyako Yoshida)

みなさん、こんにちは。

 

これはクイーンエリザベス号の

ブリタニア・レストランです。

 

長めのクルーズでは、最後に

こんなシェフのパレードもあり。

 

この日はディナーでこんな会話も。

「何が一番おいしかった?」

 

アフタヌーンティー?

牛フィレ肉のパイ皮包みという

有名なビーフ・ウエリントン?

 

でも、あんまり知られていない

有名料理もあるんですよ。

 

今年で在英30年、女王船4隻で

メニューを和訳してきた私が

こっそりご紹介しましょう。

 

*「豪華客船」にB級グルメ?

それって失礼じゃないですか...。

 

という声も聞こえてきそうです。

確かにそうかもしれません。

 

「安価で、庶民的」と言うのが

B級グルメですが、船上では無料。

 

ここでの定義は、残念ながら

ディナーの「主役級」には

なれないけれど、庶民的な軽食で

英国人に広く愛されている一品。

 

昔からの伝統で、ずっと

女王船で出されてきました。

 

3月28日から日本に戻って来る

クイーンエリザベスでも

メニューに出ると良いのですが...。

 

東京発着クルーズで乗船された方々

のご報告をお待ちしています!

 

今回のお話は

クイーンエリザベスのほか

姉のクイーンメリー2

妹のクイーンビクトリア

今年5月就航のクイーンアン

の全女王船に共通します。

 

*それはウエルシュ・レアビット

英語ではWelsh Rarebitと書きます。

 

ウエールズの家庭料理ですが

ラビット(兎肉)は入ってません。

(Photo by Wikipedia)

なぁんだ、チーズトーストじゃない。

 

はい、その通りなんですが

英国風のひねりが入っています。

 

材料を見てみましょう。

 

(ウエールズ産)チーズ

(ウエールズ産)エール

バター

卵黄

ウスターソース

 

これらを鍋で温めててソースを作り

パンに乗せてオーブンで焼きます。

 

自分でも作れそうな簡単料理ですね。

 

お味は?

エールというビール入りですが

殆どアルコール風味は感じません。

 

苦手な方は、ミルクで代替えを。

 

なんといっても惚れてしまうのは

本場ナチュラルチーズと

ウスターソースの旨味でしょう。

 

*材料で「2回転ひねり」の技

英国料理らしく

こんな隠し味が使われてます。

 

1)エール

これはエリザベス号のパブ、

ゴールデンライオンです。

(ⓒAyako Yoshida)

英国自慢といったら、コレ。

エール&スタウトですよ。

(ⓒAyako Yoshida)

ビールといったら日本では

黄色いラガーが一般的です。

 

ところが英国人のお気に入りは

麦茶色のエールと

ギネスなどの黒いスタウト。

(ⓒAyako Yoshida)

左端がラガーで、

右側がエール2種です。

 

エールは香り高くて熟成された旨味

があるので、ギネス同様しばしば

料理に使われます。

 

日本酒やワインと同じですね。

 

2)ウスターソースLea&Perrins

英国発祥の当ソースは必須です。

真ん中が、リー&ぺリン。

(ⓒAyako Yoshida)

私は朝食のトマトジュースに入れます。

りっぱな発酵食品なんですよ。

 

瓶を拡大してみましょう。

(ⓒAyako Yoshida)

ウスターシャー州のウスター市で

創始されたので、英語では別名

ウスターシャー・ソースとも。

 

矢印は、泣く子も黙る?

英国王室の御用達マークです。

 

これは故エリザベス女王の御紋

ですから、女王陛下も愛用された

ということ。

 

日本のとんかつソースに比べれると

サラッとしているのが特徴です。

 

英国の中濃ソースはこちら。

(ⓒAyako Yoshida)

これも女王船に在庫されています。

 

*英国のスーパーでも人気アイテム

時短で作れる商品が多いですね。

(ⓒAyako Yoshida)

これは材料が全部入ったスライス

なので、パンに乗せて焼くだけ。

(ⓒAyako Yoshida)

これは陶器入りなので、パン抜きで

そのままオーブンへ入れるだけ。

 

先日、フォートナム&メイソンの

ロンドン店へ行ってみました。

 

私「Wレアビットは無いんですか」

店「今日はもう完売です」

私「え~、残念...」

店「でも、これも評判ですよ」

 

と言われて、ひとつ買いました。

(ⓒAyako Yoshida)

「エレガント・レアビット」は

プレーンのレアビットに

かりかりベーコンを追加したもの。

 

焼きたてのチアバッタにONして

焼いたらとても美味しかったです。

(ⓒAyako Yoshida)

また昨日は偶然にもスーパーの

カフェでこんな看板を発見。

 

タイミング良すぎです~。

(ⓒAyako Yoshida)

 

う~ん、たまらない風味。

チーズとウスターソースが結婚?

(ⓒAyako Yoshida)

 

*女王船で試食する方法

ブッフェやルームサービスでは

見たことがありません。

 

出来立てアツアツが心情なのも

グルメ認定したい理由です。

 

レストランで注文し

ナイフ&フォークで頂きましょう。

 

おそらく現在は一航海に一回のみ。

 

たぶんランチで。

またはディナーのベジタリアンで。

(乳製品ですが肉と魚ぬき)

 

よって次の2方法が考えられます。

 

1)乗船したら直ぐ聞いてみる

ウエルシュ・レアビットを食べて

みたい事を伝えてみましょう。

 

担当レストランの

ヘッドウエイターが最適かも。

 

このクルーズで出るかしら?

メニューに載るとしたらいつ?

 

入港日のランチに出ちゃったら

オプショナルツアーに参加して

ミスることも考えられます...。

 

2)注文できるかも

厨房に負担をかけて恐縮ですが

高価な材料ではないので

頼めるかもしれません。

 

上級客室グリルクラスの方なら

リクエストを聞いてもらえそう。

 

または、ご家族3~4人なら

ブリタニアレストランでも

お願いしてみる価値はあります。

Good Luck!

 

*オーシャンライナーの時代から

(ⓒAyako Yoshida)

これは客船評論家の夫Douglasです。

エリザベスのグランドロビーで撮影。

 

背景の初代クイーンエリザベス号で

夫はバンドリーダーをしてました。

 

「Wレアビット、懐かしいな」

かつてオーシャンライナーでは

朝食メニューの定番だったそう。

 

私が勤務した2代目のエリザベス

QE2でも朝食メニューにあったの

を記憶しています。

 

でも昨今は、ヘルシーなパンの

アボカド&スモークサーモンのせ

などに変わってきたようですね。

 

材料はシンプルですが

手間をかけて温かい料理を出すのが

昔は「ご馳走」だったのでしょう。

 

*最後に

クルーへのお土産を考えている方、

いらっしゃいませんか。

 

ワンコイン以下で買えて

喜ばれる良品があるんですよ。

 

それは小さな水筒です。

(ⓒAyako Yoshida)

左から、300ml, 200ml, 140ml。

 

最右スイカペンギンのものが人気で

私のお気に入りでもあります。

 

ポケットに入るサイズなので。

 

これは「どこで買えるの?」と

船内や英国で頻繁に聞かれる品。

 

こんなに小さい水筒、

海外では売ってませんから。

 

サーモスなどは高いですが、昨今は

百均で330円の品もあるようです。

 

ちょっと嵩張りますが、日本自慢の

エコグッズだと思いませんか。

Small is beautiful!