(撮影:Douglas Wardⓒ)

 

みなさん、こんにちは。

 

これは

旧バルモラル号の入港シーンです。

 

ポルトガルのマデイラ島は

ご覧のように、美しい丘が特徴。

 

サッカー選手のロナウドさんの

生まれ故郷でもあります。

 

コロナ禍のロックダウン時は

丘の上にある豪邸で過ごされたとか。

 

さて今回は

本船の改装などのお話です。

 

*動く洋上のホテル

クルーズは朝のコーヒーで始まる、

と言っても過言ではありません。

 

終日航海日もあれば

写真のように入港する日も。

 

24時間オープンのセルフカフェで

お気に入りのコーヒーをつくり

屋外のデッキへ出るのです。

 

「モーニン(グ)!」と、

他の船客に会ったら、元気にご挨拶。

 

朝陽を浴びながら、ゆっくりと

岸壁に近づく様子を見学します。

 

空にはカモメが飛んだり

潮風で海の匂いがすることも。

 

空気がとても美味しい!

だって、洋上ですから。

 

花粉症の症状も

クルーズでは軽減されるそう。

(アレルゲン、ないものね)

 

*古い船→MV Geminiへ

WiFiを駆使して3年間も働く乗客に

どんな環境が必要でしょう?

 

3/28付の英THE TIMES紙は

以下のような改装を記載しました。

 

*カジノ→広いビジネスセンター

(複数の会議室を含む)

 

*キッズクラブ→パノラマラウンジ

 

*免税店→室内ゴルフセンター

 

暮らすように旅をしながら働く

ノマド族には働く空間が必須です。

 

共有できるオフィスのような

コワーキングスペースというもの。

 

よって、こんな娯楽施設は不要。

(撮影:Douglas Wardⓒ 写真はイメージです)

 

そのほか

客室もスタイリッシュにして

船内デザインを一新させるとか。

 

*他の客船と大きく違う点

それは、医療費が

クルーズ代金に含まれること。

 

ふつう病気やケガをしたら

船内の医務室へ行きます。

 

医師やナースが乗ってますから

長い世界一周クルーズでも安心。

 

お会計は自費清算ですが、のちほど

旅行保険などで払い戻しされます。

 

でも、本船はこれが無料。

 

その理由とは?

たぶん「他社」と競うためでしょう。

 

各国の旅行社はデジタルノマド用の

旅行パッケージを販売しています。

 

数か月で移動して働く彼らに、

移動費、ホテル代、医療費などを

含めたプランにしているのです。

 

暮らし>クルーズ というわけで

本船は客船の枠を超えました。

 

洋上の高級分譲マンションである

客船「ザ・ワールド」でも

やはり医療費は含まれていません。

 

*タイタニック号と同じサイズ

もう一度

トップ写真をご覧ください。

 

本船は船首のぎりぎりまで行け、

あのタイタニック号のポーズが

できる珍しい客船なんです。

 

(危なくない~?)

 

昨今の客船は、クルーエリアに

なっているためパナマ運河通過時

ぐらいしか行けません。

 

MV Geminiは1万9089総トン。

あのタイタニック号とほぼ同じ。

 

実は2012年、まだバルモラル号

だった頃、ニュースになりました。

 

タイタニック号事故から百年の

メモリアルクルーズをしたのです。

 

乗客数は、同数の1309人。

寄港地も同じ。

4月15日には沈没地点で追悼式。

 

でも、ひとつだけ違う点が。

それは出航日でした。

 

イギリスのサザンプトン港を

4月10日ではなく2日前に出航。

 

どうして?

 

なぜなら、タイタニック号ほど

スピードが出せなかったからです。

 

約10ノット、遅かったとか。

 

約80年後に建造された客船のほうが

遅いなんて、信じられませんよね。

 

でもタイタニック号はスピードが勝負

のオーシャンライナーだったのです。

 

まだ航空機がなかった時代のこと。

 

欧州から北米へ向かう定期船だった

オーシャンライナーは

海を越えるための「足」でした。

 

いまのクルーズは

急ぐ必要がないゆったりな旅。

 

MV Geminiは暮らせる客船として

今年11月にデビューします。

 

ビンテージな客船だからこそ、

多くの魅力があるというもの。

 

今後が楽しみですね。

世界一周で寄港したコロンビアにて。

(撮影:Ayako Yoshidaⓒ)