【アトピー完治への道】どうしてアトピー治療中にニキビができるの? | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

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山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、
目黒区東が丘 『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』
院長の 山本綾子です。
 
今日は、
ステロイド治療中に時々出てくる「ニキビ」について。
 
まずは、この7年前の記事を読んでくださいね↓

ステロイドを塗っているとニキビが出やすくなる
ニキビに間違えてステロイドを塗ると悪化する
 
これらは、皮膚科の常識レベルのお話ですが、
今日のお話は、
「どんなところにニキビが出やすいのか?」
ということについて。
 
アトピーではない方の「治りの悪いニキビ」を診ていると、
そのニキビの近くのリンパ節がゴリゴリということが
非常によくあります。
 
顔のニキビのときに、鎖骨下リンパ節を触ると、
びっくりするくらいゴリゴリしていることが本当に多いのです。
 
デコルテや背中の上の方のにきびのときは、
まあ、巻き肩の強い方の多いこと多いこと!
そう、つまりは
、脇のリンパ節(腋窩リンパ節)が詰まっているのですね!
 
どうやら、
「ニキビというのはリンパの流れが悪いとき」
に出るようです。
 
血流が悪いときは、湿疹が出やすく、
リンパ流が悪いときは、ニキビが出やすい。
 
リンパというのは、
下水溝の役割で老廃物の回収をするところなので、
リンパが詰まるとニキビができやすいというのも、
当然のような気がします。
 
重症のアトピーの患者さんの場合、
リンパ節のゴリゴリがかなりあり、
「血液のガンではないですか?」と心配されることがよくあります。
しかし、ほとんどのケースでは、反応性のリンパ節腫脹であり、
アトピー改善とともに、リンパ節のゴリゴリは消えてゆきます
(消えてゆかないときは、血液内科に相談したほうがよいでしょう)
 
重症アトピーでは、
筋肉ポンプが壊滅的にやられていますから、
(インナーマッスルがあまりに不足しているため)
「毛細血管→細胞→リンパ管」の流れが詰まってしまい、
行き先をなくした間質液が毛細血管の中で溜まって
毛細血管が広がる=真っ赤に見える=湿疹
となります。
 
リンパを流せないほど筋肉ポンプが役立たない状態では
湿疹という形となりますが、
筋肉ポンプがそれなりに復活してきて、
ある程度は血流が改善しても、
まだリンパ流は完全には復活していないときに
湿疹はほとんど出ずにニキビがメインとなるのですね。
 
ですから、
アトピー治療中に、
湿疹があまり出なくなって、にきびがメインになってきたときは、
血流は改善してきたけれど、
リンパの流れはまだまだ改善させなくてはならないですよ、
という身体からのサイン。
 
治療の経過としてはいい方向に進んでいるけれど、
もう一息ですよ、
 
そんなふうに捉えてくださればOK.
 
にきびが出るということは、
乾燥が少なくなって潤ってきた証拠でもあります。
 
湿疹があまり出なくなって、ニキビがメインになってきた、という方。
もう一息です、頑張って!