【必読】脱ステ時に「知らなかったでは済まされない」リスク①(脱ステで食物アレルギー増える!!) | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

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山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘 「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」

院長の 山本綾子です。

 

***【山本綾子の診察をご希望の方へ】***

診察を受ける際の、大切な注意点が書かれています。

貴重な診察時間を無駄にしないために、一読をお願いします。

https://ameblo.jp/ayakoder/entry-12416124634.html

赤ちゃんの運動療法は、診察室内で行います。

まず、保険診療予約をお願いします。

また、水曜日・土曜日は非常に混み合いますので、

乳児~幼児は月・木・金曜日を強くお勧めします。

 

さて、本日のお話は、

「脱ステをする際に”知らなかったでは済まされない”デメリット」

について。

 

勿論、皆さんご存知のように、

脱ステをするには、

精神的・肉体的な苦痛を伴います。

 

ときに、仕事や会社に行くことが難しくなり、

家から出られなくなったり、

寝たきり状態になる患者さんがいらっしゃることは

聞いたことがあるかと思います。

 

私の診察に来てくれる、

「脱・脱ステ」の患者さんも、

いかに脱ステ時が、「非人間的生活で苦しかったか」

さまざまな言葉で教えてくれます。

 

ですから、「精神的・肉体的苦痛」については

いまさらお話する必要はないのですが、

それよりも、重大な「知らなかったでは済まされない」デメリット

ありますので、とくに3点に絞って、

お話してゆきたいと思います。

 

まず、1点目。

これはとくに赤ちゃんでの脱ステで、

絶対に親御さんに知っておいてもらわねばならない

『食物アレルギー発症における経皮感作の重要性』

です。

 

少し前に社会的問題となった、「茶のしずく石鹸」の話を

ご存知でしょうか?そうです、「皮膚を通してアレルギーが発症する」

ということを証明した、あの事件です。

 

これまで長い間、食物アレルギーの感作の主体は、

経口摂取した食べ物に対する経腸管感作と考えられてきました。

 

しかし、国立成育医療研究センターの

鶏卵アレルギー発症に関する研究では、

鶏卵を食べないようにしてきた乳児たちのほうが、

鶏卵を食べていた乳児たちより高率に鶏卵アレルギーを発症した、

という驚きの結果を示していました。

 

これまでの常識を覆す結果です。

 

そして、これらからわかることは、

「皮膚のバリアーが湿疹などでやられていると、

高率に食物アレルギーを起こしうる」ということ。

 

もっと、わかりやすく言うと、

せっかく赤ちゃんが食物アレルギーにならないように頑張っていても、

皮膚が脱ステでぐちゃぐちゃになっていると、

ステロイドできれいにしている皮膚よりも食物アレルギーに

なりやすい、ということです。

 

食物アレルギー発症において経皮感作がどれだけ重要か

知られるようになった今だからこそ、

「赤ちゃんの脱ステには、

食物アレルギー発症確率を上げてしまうリスクを伴う」

という、重大な問題についても理解した上で、

本当に赤ちゃんにとってのベストの選択なのかを

しっかりと考えて欲しいと思います。

 

本日は、「脱ステ時に忘れてはならない、食物アレルギー発症

リスク」についてお話しました。

 

今回は、とくに赤ちゃんでの注意点でしたので、

次回は、とくに大人での脱ステ時の注意点をお話したいと思います。