【元・重症子供アトピーママからのメッセージ①】生まれた頃からのアトピーでも諦めないで! | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘 『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』

の院長、山本綾子です。

 

私には、

小学校3年生から、現在専門学校生になるまで、

10年ほどずっと成長を見守ってきた、

ある、「元」重症アトピー患者さんがいます。

(いまは、ちょっとした乾燥肌程度です)

 

最初の出会いは、

まだ私が都内の大きな総合病院に勤務していた頃。

彼がまだ小学校3年生だった頃。

 

赤ちゃんの頃から重症アトピーで、

さまざまな病院に通っても治らず、

脱ステをしても治らず、

困り果てていました。

 

そんなとき、私の勤務する病院に偶然入院することになり、

私が担当医となりました。

全身ものすごくひどく、

顔に至っては包帯ぐるぐるミイラ状態。

そんな彼も1週間ちょっとの入院によりキレイな顔で退院。

外来通院でも、以前ほど酷くなることはなく、

「皮膚で学校生活に困る」ことはなくなりました。

 

でも、赤ちゃんの頃からずっと「重症アトピー」だった負担は、

皮膚よりも「心」に来ていました。

(このときの、彼の状態については

2013年1月11日のブログ

「小さなお子さんのアトピーの人格形成における影響について」

https://ameblo.jp/ayakoder/entry-11445967397.html

を是非、お読みください)

 

生まれた頃からどんなに治療をしても

良くならなかったアトピー。

「どうせ、ボクのアトピーは治らないんだ」と

「あきらめる」しかなかった、小さな頃。

 

小さな子供の心には、あまりにも過酷な現実。

「希望」などなく、「あきらめ」「無気力」しか

生まれませんでした。

 

どんなにこちらが本気100%で診察しても、

「他人事」のように、聞いている。

目に力がなく、無気力な感じ。

 

それが、

彼が中学生になった頃、

私が「アトピー発症機序理論」を完成させ、

私自身が、「アトピーはこういう順序にやれば、

治る病気だよ」と自信を持って言えるようになったことにより、

彼の目に、「生きる力」が蘇ってきたのです!

 

「自分の心と身体を大切にする」

というあまりにも生きるうえで大切なのに、

学び忘れている人が多いこのことを、

彼は、中学生の時点で、悟ったのです。

 

アトピーで失ったものもあるけれど、

それ以上に大切なものを

アトピーから学んだのです。

 

そのときの記事がこちら。

 

さて、その彼は、

その後、多感な中学、高校という時期を

自分の「進路決定」という人生選択をしながら

どんどん成長してゆきました。

 

始めは、

学校でのトラブルやら家庭でのトラブルもあり、

「高校なんて行かなくていいや」という状態でしたが、

自分の意志で、

「高校に行く」と決めて、猛勉強を開始、

見事、公立高校に入学という快挙を成し遂げました。

 

しかも、高校入学後も、

自分で「こんな勉強をしたい」と、

自分の人生を考え、専門学校に推薦入学、現在も頑張っています。

 

昔の彼だったら、ありえませんでした。

「どうせ・・・」

「なんでもいいよ・・・」

そんな彼が、今では、立派に自分の人生を自分で決めて、

生き生きと頑張っている。

 

しかも、彼、

私のクリニックオープンのときに、

バイトをして貯めたお金で、プリザーブドフラワーをプレゼントしてくれ、

遠くからわざわざ電車で、オープンに合わせて、来てくれました!

 

実は、彼のお母様とは、

入院していた総合病院を退職したあとも、

ずっと、連絡をとりあっていて、

その次の私の勤務病院が、

学校が忙しくなって、遠方のこともあり、受診ができなくなったあとも

「進級」「入学」「卒業」といった節目には、

必ず連絡をくださり、

「こんなふうに成長しています」と

報告を頂いていました。

 

「いま、もがいています」と葛藤している報告を受けたり、

「○○に行くことを決め、頑張っています」とか、

「合格しました!」と嬉しい報告をもらったり。

 

昔だったら、

「この子、大丈夫かな?」と不安なことばかりでしたが

最近は、お母様とも、

「本当に、大きく成長しましたね!」と

安心して見守っています。

 

そんな、「元」生まれつき重症アトピーの患者さんのお母様から

是非、いま、

アトピーのお子さんで苦しむお母さんたちにシェアして欲しい、

とメッセージを頂きましたので、

次のブログで書いていこうと思います。