【アトピーの戦略的治し方】山本綾子流アトピー治療③「テントの法則」(なぜお腹が潰れると×なの?) | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

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山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘 『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』

院長の山本綾子です。

 

さて、

アトピーを「偶然」なんかでなく、「戦略的」「論理的」に

治してしまおう大作戦の、

「山本綾子流アトピー治療の極意」

第三回目は

「テントの法則」について。

 

こんなテントをイメージしてください。

右から左から、

同じ長さ、同じ強さで

ロープを引っばってあげないと、

バランスが悪くなり、

傾いてしまいますよね?

 

実は、

人間の身体でも

同じようなことがあります。

 

「アナトミートレイン」という考え方が

最近、理学療法の世界ではかなり広まりつつあります。

 

筋肉は個別に存在しているように

解剖学の本では描かれているけれども、

実は、筋肉同士が連鎖して、影響しあっている

というもの。

 

実は、この「アナトミートレイン」という言葉を

私が知る随分前から、

額と襟足や首の後ろ、

首の前やお腹など、

離れた部位なのに、どうやら関連性があると、

気づいていました。

 

額がひどくなる時は、

たいてい、襟足のほうも酷くなるし、

首の後ろには谷折り線がある。

(詳しくは、日経トレンディネット

「フケじゃなかった!脱毛にもつながる脂漏性皮膚炎のナゾ

【アトピー発症機序理論4】

https://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140314/1055938/?i_cid=nbptrn_pc_c1

をご覧下さい)

 

どの患者さんも同じ。

どうしてだろう?

 

そう思いながら診察していたある日、

理学療法の世界では「アナトミートレイン」という

考え方が広まりつつあることを知りました。

 

そして、わかったのは、

私が診察で気づいていた遠く離れた

「湿疹部位」と「湿疹部位」の関連性は、

「筋肉がつながって、一つのラインを作っている」

そして、

「おのおののライン同士も、力のバランスを保っていないと

身体に不都合が生じる」

ということを、

皮膚を通して見ていたということ!

 

それこそが、「テントのロープの力のバランス」の法則と同じ。

 

もう少し、分かりやすく説明します。

 

お腹の前は「フロントライン」として、

顔~下肢まですべてがつながった1つのラインとなっています。

 

背中側も、「バックライン」として

頭~足裏まですべてがつながった1つのラインとなっています。

 

そして、前のラインと後ろのラインは、

力のバランスを保っていないと、

テントが崩れてしまうように、体が崩れてしまいます。

 

つまり、

お腹が潰れていると、背中側は伸びすぎになって、

バランスを保てない、

ということ。

 

イメージできますか?

 

そうですね、

五円玉に2本の紐を通してみましょうか。

 

2本の紐の力が同じであれば、

紐はまっすぐとなり、五円玉もきれいに

空中に停止することができます。

 

2本の紐の力に差があると、

紐はだら~んとして、五円玉はぶらんぶらんです。

 

このように、

身体の前のラインと後ろのラインは、

「ちょうどの力バランス」が

必須なのです。

 

お腹を潰して、谷折り線を作ると???

そうですね!

前後のバランスを崩すので、

きちんと、まっすぐ真上に載せないと

人間の骨は安定しないという

「積み木の原理」

が成り立たなくなるのです。

 

少し、難しお話が続いていますので、

再度、

「山本綾子流アトピー治療①~③」を

復習してみてください。

何となく、立体的にイメージできるようになると、

アトピー治療もとても簡単になりますよ。