【アトピーの戦略的治し方】山本綾子流アトピー治療②「中心軸の法則」(赤ちゃんの抱っこの仕方も!) | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

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山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘 『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』

院長の山本綾子です。

 

前回は、

山本綾子流アトピー治療のキモ中のキモの

「積み木の原理」について、お話しました。

「まっすぐ真上に積んだほうが、絶対に安定する」という

あまりにも当たり前で忘れがちな事柄ですが、

地球という「重力のかかる場所」では、

忘れてはならない原理です。

物体だけではなく、私たち人間の身体でも、

地球に住む限りはこのことを忘れてはならない、というお話でした。

 

次のお話は、

「中心軸の法則」

これは、できるだけ

「ぎゅっと中心軸に近いほうが安定する」

ということ。

 

例をあげてみましょうか。

 

両腕を広げて、

両手に重たい荷物を持っていると仮定します。

 

この時、両腕を広げた状態と、

脇をしめて、体幹近くで荷物をもつ状態の、

どちらが楽でしょうか?

上の図の、

前に並んでいる子のように

脇をしめた状態で重い荷物を持つ時と、

両腕を伸ばして重たい荷物を持つ時を

比べます。

 

実際にやって頂ければ

お分かりになるかと思いますが、

脇をしめた状態のほうが

「体幹の力だけで支えられる」ので、

安定しますし、

荷物を持っている人も楽です。

 

これは、

日本の「○○道」と呼ばれる、

古来から大切にされてきた、茶道・書道・武道などでも

同じですね。

 

「脇をしめて」

 

これらの「○○道」を習っていると、

いつもいつも「脇をしめる」大切さを習うそうです。

 

先日も、私のアトピー外来を受診した小学生の男の子が

こう言っていました。

 

「あ!この間、剣道の先生も

山本先生と同じことを言っていた!」

 

また、フェンシングを習っているお子さんも

同じことを言っていました。

以前私は、医学部生のときに、卓球をしていましたが、

そのときに言われたことも同じ。脇をしめて!

 

和・洋に関わらず、

スポーツは基本的に同じなのですね!

 

そうなのです。

「身体に負担が少なく、

安定する身体の使い方」

は、アトピーだけでなく、

いろいろな道を極めるときと同じ。

 

しかも、これ、実は、

赤ちゃんを抱っこするときの、

親御さんが気をつけるべき姿勢についても

同じことが言えるのですよ。

 

よく、新米ママから

「腱鞘炎になってしまって・・・」と聞くことがあります。

 

これは、抱っこの仕方が悪いのです。

 

「腕や手だけで赤ちゃんを持ち上げよう」としています。

そうではなく、

「体幹で支える」ように赤ちゃんを抱っこすれば、

手首を痛めることもありませんし、

赤ちゃんが落っこちそうになることもありません。

「羽交い絞め」のように

二の腕で抱きしめる感覚です。

しっかりこのやり方で抱っこできていると、

手首から先はほとんど力が入っていません。

ただ、添えているだけの状態なので、

腱鞘炎になることもないのですね。

 

さて、この

「中心軸に近ければ近いほど安定する」=

「中心軸の法則」

と、アトピーの運動療法の関係とは?

 

とても単純です。

普段から、できるだけ、

「ぎゅっと中心軸に近寄る身体の使い方」をしないと、

「不必要な力を筋肉にかけてしまうため、

不必要に筋肉が硬くなって、筋肉がしなやかさを失い、

筋肉ポンプとして働かない」

ということ。

 

腰の曲がったおじいさん、おばあさんを

イメージしてみてください。

 

背筋がすっとのびた姿勢からは程遠く、

中心軸からかなり離れていますね。

肩の位置も脇をしめているときより

ずっと背骨から遠いですね。

 

O脚になっていると、

お尻の筋肉も

どんどん中心軸から離れてしまいますね。

 

無駄な力を使いまくって、

大変そうですね・・・・

 

そう、これが重症アトピー患者さんの典型的姿勢そのもの・・・

 

「中心軸に戻す力をつける」

ことがアトピー完治には必要なのです。

 

(当院のメディカルフィットネスは、

このためのプログラムとなっていますので、

ただのストレッチでも、筋トレでもありませんし、

整体とも全く違います。

根本的に、

自分の身体の力を底上げするためのプログラム

言えます。

だから、将来的に薬や他人の施術を必要としなくなります。

これこそが、理想的な根治治療だとは思いませんか?

薬やサプリ、他人の施術を続けている限り、

それらがなくなったら終わり。

それよりも、自分自身の力だけで治せることが本当の根治です