【進化する「アトピー発症機序理論」による治療法】お腹の皮膚は伸ばせてこそ! | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

皮膚科医 山本綾子です。

 

ずいぶん、久しぶりの投稿となります。

2017年8月に、

「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」を開院し、

バタバタしながら、

あっという間にもうすぐ一年。

 

思い返せば、

この、「アトピー撲滅プロジェクト」ブログは

2012年に始まりました。

そして、今は、2018年。

 

その、6年の間に、全国から、

本当にたくさんのアトピー患者様が受診にいらっしゃいました。

北は北海道から、南は沖縄まで。

本当に遠くからでも、藁をもすがる思いで

たくさんの患者様がいらっしゃいました。

 

そうやって、たくさんの重症アトピー患者さんを診察するなかで、

私の、「アトピー発症機序理論」による治療法も、

どんどん進化を遂げています。

3ヶ月受診しないと、

さらに新しいアプローチ方法が見つかっている、

そんな状態をずっと続けています。

日々が新しい発見であり、日々が治療法の進化です。

 

そんな私のアトピー治療ですが、

いま、もっとも患者さんにお伝えしている、

大切なポイントをお話してゆきたいと思っています。

 

本日のテーマは、

「お腹の皮膚は伸ばせてこそ!」

 

私の「アトピー発症機序理論」については、

日経トレンディネットの記事で知っているという方も

少なくないと思います。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140121/1054660/

 

これらの記事を読むと、「お腹に谷折り線を作らないような姿勢が大切」なのだと理解していらっしゃる方が多いでしょう。

でも、この「谷折り線」、実は、もっと深い意味がありました。

 

谷折り線がある、というのは、

確かにその部分が曲がっているという意味でもありますが、

「その部分の皮膚が縮んでいる」という意味でもあります。

 

実は、姿勢を気を付けていても、

なかなかお腹の谷折り線が消えてゆかない患者さんたちがいます。

なぜなのか?

 

それを解決するためのヒントが、「皮膚が伸びていない」という点にあります。

 

皮膚を伸ばすためには、どんな力が必要ですか?

前腕の皮膚を例に考えてみましょう。

 

腕の肘側と手側の両方向に向かって「引っ張る力」が必要ですよね?

 

では、これがお腹の皮膚だったらどうでしょうか?

谷折り線を消すためには、

みぞおち方向と、下腹部方向の両方向に向かって「引っ張る力」が

必要となります。

 

この、「下腹部方向に引っ張る力」こそが「丹田の力」です。

 

しかし、なかなか谷折り線が消えない患者さんたちは、

この「丹田の力」を正しく理解しておらず、

へそより上を凹めているのです。

丹田とは、へそより下の力です。へそより上を凹めてしまうと、どんなことが起こるでしょうか?

 

そう、内臓が潰されます。

そして、へそより上の皮膚が縮んでしまいます。

 

本来、腹圧とは、

「内臓を守るためにお腹を膨らませる力(=皮膚を伸ばす力)」なのですが、お腹に力を入れればいいと

へそより上に力を入れてしまうと、

逆に「内蔵を潰して」しまうことになるのです。

 

これでは、せっかくやっていても、

逆効果!

 

皮膚は正しく機能させるために、「しっかりとちょうどいい力で伸ばす」必要があるのです。

(勿論、伸びすぎもダメ。ちょうどいい力がポイントですよ!)

 

今日から、あなたも、

いい姿勢を心がけるときのポイントとして、

「お腹の皮膚をしっかり伸ばす」を

意識してみてください。

自然と良い位置になることに気付くはずです。