こんにちは。
皮膚科医 山本綾子です。
みなさま、お正月はゆっくりとお過ごしになられたでしょうか。
さて2015年、貴方はどのような年にしたいでしょうか？
アトピーに悩む方にとっては、
「今年こそアトピーから卒業したい！」
が本音ではないでしょうか。
今日は、アトピーに悩むほとんどの方が、
「使う？」「使わない？」に迷う”ステロイド”と、
その「卒ステ」のお話です。
アトピー治療のため、何度も何度も
病院に行ってもなかなか治らない・・・
そんな時ふと頭によぎるのが
「”脱ステ”でもしなきゃ治らないのかな？」
ここで少し考えてみましょう。
「アトピーって、ステロイドをやめれば治る？」
本当にそうなのでしょうか？
私の外来には、
”脱ステ”暦１０年、２０年、
といった患者さんもたくさん受診されます。
つまり、その患者さんたちの
”脱ステ”暦の長さからわかるように、
”脱ステ”を何十年行っても
改善、根治していないケースが多いのです。
１０年、２０年も（！）ステロイドをやめたって、
アトピーが治るわけではない、ということ。
それは何故でしょうか。一つ言えることは、
「ステロイドがアトピーを引き起こしているわけではない」
からですよね！
患者さんが最初にステロイドを使った理由のほとんどが、
「湿疹が治らないから」ですから、
原因がここにあるわけではないのです。
つまりそれを忘れて、
ステロイドをやめるだけでは治らないのは、
当たり前の話とも言えますね。
問題の根本は、
「そもそも、どうして湿疹ができたの？」です。
そこを、『アトピー発症機序理論』でしっかり理解し、
改善根治の作戦を立ててゆきましょう。
例えばいつも同じ場所に出ている湿疹。
理論をベースに、「なぜ？」と「どうしたら治るか？」
がわかってしまえば、
ステロイドを使わなくても、
湿疹が湧いてくることがなくなる。
この状態を、私の診察では「卒ステ」と呼んでいます。
ちょっと補足ですが、
”脱ステ”は
「湿疹がガンガン出ていても無理矢理ステロイドを中断すること」
一方、”卒ステ”は
「湿疹が出ない状態にする。
湿疹が湧いてこなくなるためステロイドが不要な状態になること」
・・・と説明しています。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
”脱ステ”は状況によっては大変な事態になりますが、
”卒ステ”は、
「ステロイドを使う必要が徐々に無くなり、自然に使わなくなる」
つまり、患者さんの体にとっても、
負担が全く無く、自然な形で改善してゆけるのです。
さぁ2015年がスタートしました。
今年こそあなたも、
アトピーを卒業したたくさんの先輩たちに続いて、
身体に負担のない自然な形で、
アトピーから卒業してゆきましょうね。
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