こんにちは。
『アトピー治療に作戦を！』テーマでは、
いかにステロイドを効きやすくして、
湿疹を早く治し、卒ステに向かうか、
と考えるときのヒントについて書いていこうと思います。
脱ステを選んだ患者さんの、
「ステロイドをやめた理由」でもっとも多いのが、
「ステロイドが効かなくなったから」です。
（１）皮膚科医のステロイドの処方の仕方に問題がある場合
・ステロイドのランクが症状にあっていない
・保湿剤と混合することによって、
ステロイドの強さが弱くなりすぎている、など
（２）ステロイドの塗り方に問題がある場合
・塗る回数が少なすぎる
・塗る量が少なすぎる
・塗るときに力を入れすぎている（こするように塗っている）
・掻いているため、軟膏がとれてしまい、実質皮膚についていない
→この場合、何回か塗り足す必要あり
・軟膏が足りなくて、ケチケチ塗りになっている
・・・などなど
これらの（１）、（２）がステロイドが
効きにくい理由の大半を占めるのですが、時々、
（３）血流、リンパの流れが悪すぎる場合
というのがあります。
そして厄介なのは、この（３）の原因は、
患者さんによってさまざまなので、
一人一人原因探しをしなくてはならないのです。
姿勢が悪すぎる方もいるし、
食事に問題ある方もいる。
また、メンタルに問題がある方もいるし、
歩き方に問題がある方もいる。
さらに筋肉が少なすぎる方もいるし、
筋肉が硬くなりすぎている方もいる。
今まで一般的皮膚科では、
（１）（２）を教えてくれることはあっても、
（３）まで教えてくれることがほとんどありませんでした。
だから、ステロイドをどんなに頑張って使っても、
あまり効かなかったのです。
「効かぬなら、やめてしまえ、ステロイド」と考えるのが、脱ステ。
でも私は、「効かぬなら、効かせてみせよう、ステロイド」
と考える治療を行っています。
アトピー治療は頭脳戦です！
「いかに、効きにくいステロイドを、
効きやすくさせてしまうか」が
ポイントだと思っています。
きちんとステロイドが効いてくれれば、
やみくもにステロイドを強くしたり、
長期間使い続ける必要がなくなります。
そうすれば、ステロイドによる副作用で
困ることもなくなるわけです。
しかも、沸いてくる湿疹の法則は、
「アトピー発症機序理論」でわかっているので、
いつも沸いてくる湿疹に対しても
出ないようにすることができる。
最近、こんなケースがありました。
腕のがさがさが、強めのステロイドを
しっかり塗ってもなかなか治らない。
ある程度はよくなるけれど、完全にはひいてくれない。。。。
「どのくらいの症状の湿疹ならば、
どのくらいの強さのステロイドを何日間ぬれば、
どのくらいまで改善するか」
これが、完全に把握できているのが、
経験をつんだ皮膚科医です。
しかし、この経験則から外れて治りが悪い。
おかしいな。。。
そう思って、腕の筋肉までしっかり触ってみて、
すぐに答えはわかりました！
そうです！筋肉があまりにも硬かったのです！
その患者さんは、バイトで重いトレーを持つため、
腕の筋肉がカチカチになっていました。
そこでその腕の筋肉をほぐすストレッチなどを
行ってもらったところ・・・
どんなに強めのステロイドを塗っていても
効きが悪かったのに急に効きがよくなって、
キレイになりました。
たったこんなことで、ステロイドの効きが
よくなったりするわけです。
でも、それに気づかず、ステロイドだけ塗っていても、
良くなるわけがない。
自分は「ステロイドが効かなくなったから、
仕方なく脱ステを選んだ」と思っていらっしゃる方。
ちゃんと「効きにくかった理由」を見つけると、
すっとステロイドも効くようになります。
とにかくアトピー治療は頭脳戦です。
いかに、作戦を立てるか、です。
その作戦のコアとなるのが、「アトピー発症機序理論」です。
理論に従って、おおまかな作戦を立て、
あとは、その理論の応用で、
自分の生活の中でどこに治りの悪さがあるかを考える。
まずは、おおまかな作戦を立てるために、
一緒にアトピーの発症の仕組みを勉強しませんか？
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