こんにちは。ずいぶん、寒くなってきましたね。
今日は、この時期に応える「冷え症」についてのお話です。
まずは、「冷え症」って何だ?というお話から。
一言で言えば、「熱を作る」→「熱を末梢まで届ける」ことができない状態です。
「熱を作る」のは、何でしょう?
そう、「温かい食べ物・飲み物」と「筋肉」です。
夏のある暑い日の出来事です。幼稚園のお子さんが診察室に入ってきました。おなかの症状を診ようと、洋服をまくりあげ、お腹を触りました。
「つめたい!!!」
まるで、氷のような冷たさに驚き、連れてきたお母さんに聞きました。
「いつもこんなにお腹が冷たいのですか?」
「いえいえ、今、そこの待合室にあったウォーターサーバーの冷水を飲んだんです」
あ、なるほど!冷水のせいですかぁ・・・
え!?でも、冷水飲んだだけでこんなに冷えるものなんですね!!!
この瞬間、いつも患者さんには「できるだけ飲み物も冷たいものではなく、常温で」とお話していましたが、それがどんなに重要なことなのか、実感しました。
「冷たい食べ物・飲み物は、ダイレクトに体を冷やす」!!
これ、本当に大切なことですから、忘れないでくださいね。
さて、冷たい食べ物・飲み物がかりをとっていれば身体が冷えてしまうのは容易に想像できますが、実は、「熱を作り出しているのが筋肉」であることも大切な基礎知識です。
筋肉量が極端に少ない場合(かなりの痩せや肥満)、どんなに食事に気をつけていても「自分で発熱する量が非常に少ないため、末梢(身体の最末端は皮膚です!!)まで温かい血液を届けることができません。
また、筋肉量がそれなりにあっても、「運動不足」であれば、やはり末梢まで温かい血液を届けることはできません。
これは、高齢者が「寒い寒い」と言っていることを想像していただければ、理解しやすいでしょう。
筋肉量が少なく、動きの少なくなった高齢者の肌は、どうなっていますか?
そう、非常に冷たく、乾燥していますよね!
皮膚はきちんと血流が保たれているとき、「自ら潤う」ようにできていますが、その血流が保たれなくなったとき乾燥することは「うっ滞性皮膚炎」という病気が示す通りです。(11月16日ブログ参照)