こんにちは。今日は、患者さんからの「根本的に治したくて漢方やっています」の言葉に私が思うことを書いてみたいと思います。
漢方薬は本当に根本治療になるのでしょうか?
私の答えはNOです。漢方もステロイドと同じく所詮対処療法です。
本当の根本治療ってなんでしょう?
例えば冷え症ならば、「なぜ冷えるかを考え、その対策をすること」が根本治療。
それを薬をのんでおしまい、では対処療法です。
こんな患者さんがいらっしゃいました。
30代でアトピーを発症したとき、ステロイドバッシングの強い時代だったので、漢方治療をしてきれいになったという女性。
約20年たって、アトピーがひどくなり、以前自分を治してくれた漢方医のところを受診し、いろいろ漢方薬を変えてもらったが全然良くならない、と。
初めて発症したときにはきれいに治してくれた漢方医ですから、腕はいいのでしょう。それでも、2度目の悪化のときには、漢方薬が効かなかった。
もし、漢方薬が根本治療であるならば、2度目に悪化することもなかったでしょうし、少なくとも、その腕のいい先生が処方すれば、きれいに治ったはずです。でも、治らなかった。
漢方薬も所詮、対処療法でしかないんですよね。
冷え症は、「自分で熱を作り出し、末梢まで熱を届けること」がうまくできない状態。その原因を放置したまま、漢方薬を飲んだって、結局は対処療法。
私は漢方薬を否定するわけではありません。
内服自体は悪くないし、内服したほうが治りが早くなることもあるでしょう。
ですが、「漢方薬も対処方法でしかない」ということを忘れず、内服時には同時に「なぜ、漢方薬を飲まねばならない症状がでているのか?」ということを常に考えながら、その治療もやるべきだと思います。