【東スポ】美しい風景と民俗紛争
東スポ、こと東京スポーツ新聞。
今回、連載「オススメDVDはコレ!」のコーナーでご紹介するのは、
「ビフォア・ザ・レイン」
ヴェネチア映画祭でグランプリ以下10部門を総なめにし、アカデミー賞にもノミネートされたこちらの作品。
マケドニアを舞台としています。
しかし、作品を見る前に「マケドニアってどのあたりだっけ・・・」というところから始まり、場所や歴史について調べることに。
マケドニアはヨーロッパのバルカン半島にある国。
ギリシャの上、ブルガリアの左側に位置しています。
2019年「マケドニア共和国」から「北マケドニア共和国」に国名変更されたり、過去には国を分割して占拠されたりと、なかなか複雑な歴史があるようです。
冬は寒くて夏は暑い(40度超えも)という状況のマケドニアですが、
何といっても景色が素晴らしく美しい。。。
それだけでも作品の価値を感じられます(*^^*)
そしてこの作品は、オムニバス形式。
民俗紛争という重いテーマでありながら、
シーンが変わることで見やすさもあり、飽きない展開。
一部のマケドニアから二部はロンドンへ、三部ではさらにもう一度マケドニアへ・・・・。とシーンが変わりながらも登場人物は交錯し、最後まで見逃せない展開となっています!
■STORY
■第一部「言葉」…マケドニアの美しい山岳地帯。まるで歴史に取り残されたかのように佇む修道院で、 沈黙の修行を守る若い僧キリル(グレゴワール・コラン)と、 マケドニア人戦闘部隊に追われこの修道院に逃げ込んだ敵対民族ア ルバニア人少女ザミラ(ラビナ・ミテフスカ)の恋。 民俗の宗教も言葉も異なる二人の恋の行方は悲劇を予感させる。
■第二部「顔」…ロンドンの出版社で働く女性編集者アン(カトリン・カートリッジ)の気持ちは、 マケドニア出身の世界的戦場キャメラマンで愛人のアレックス( レード・セルベッジア)と、 愛してはいるが退屈な夫との間で揺れている。 夫の子どもを妊娠しているアンだが、 愛人からの一緒に故郷マケドニアに帰ろうとの誘いに悩んだ末、 夫に離婚を切り出す。そこで突然凄惨な事件が起こる…
■第三部「写真」…マケドニア出身の世界的戦場キャメラマンのアレックス(レード・セルベッジア)は、 ロンドンでの生活も地位も名誉も捨てて故郷の村へと帰るが、 そこは民族紛争で荒れ果て、人々は皆銃で武装していた。 ある日アレックスの従弟がアルバニア人に殺される。 殺したのはアレックスの初恋のアルバニア人女性の娘ザミラ( ラビナ・ミテフスカ)だった。 復讐の火蓋が切って落とされるなか、 アレックスの取った行動とは…
なぜヒトは殺し合うのか。
そんなテーマが掲げられている本作。
最近Netflixで話題の「イカゲーム」で久しぶりに殺し合いシーンなどを
ガッツリ見てしまったので、如何に平凡な日々が幸せなのだろうと
身に染みていたところでした。。。
これは紛争がテーマなだけに、リアルだしとても重い。
秋の夜長、何を観ようかと迷ったら・・・
色々考えさせられる作品ですが、
是非このタイミングでご覧になってみてはいかがでしょうか。
国内初のDVDブルーレイ化。
キングレコードさんより2021年10月13日発売です!
「ビフォア・ザ・レイン」