摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
毎日、何を食べたらいいのか。
毎日、何なら食べられるのか。
毎日、何を食べれば治っていくのか。
そんなことで、頭がいっぱいだった拒食時代、
こんな想いが沸いてきました。
「食べなきゃいけない状況になれば、食べられるのかも」
「決まったものが出されたほうが、考えずに食べられてイイかも」
「ちゃんとカロリー計算された食事なら、安心して食べられるかも」
つまり、
入院すれば、食べられるようになるかも
という考えが沸いていました。
それが、生まれて初めての精神科入院につながったように思います。
結果は・・・
全く上手く行きませんでした。
入院して食べる・食べない以前の問題として、
厳格な管理体制のやり方が、相当なストレスになり、
同室の患者さんたちとも上手くいかず、さらにストレス・・・。
逃げ出すように退院したのでした。
数か月後、別の病院に入院した際、「考えずに食べることって、ラクかも」と思えた出来事は、確かにありました。
市販の食パンなんて、ずーっと食べていなかったのに、朝から2枚食べられる自分にびっくりしました。
でも、そんな「ラクかも」という感覚は、たった1~2日間のみでした。
あとは、ひたすら食べて体重を増やすことを強要される入院生活でした。
・・・
私は、命のキケンがあれば、入院は必要だと思っています。
けれど、命のキケンを脱した状態なら、治療に通いながら家で回復に向かうことも可能だと思っています。
仮に、入院生活が上手くいったとしても、
いずれは、退院して家での生活があります。
家で、自由だから食べられない、もしくは誘惑があり過ぎて過食してしまう・・・という状態こそ、
ちゃんと向き合って
ちゃんと考えて
ちゃんと話し合って
ちゃんと回復につなげていくべきことではないでしょうか?
自由だからこそ、
あなた自身の「治りたい」という気持ちが全てなのです。
あなたが「治りたい」と思い続け、
治るための行動をずっと続けて、
治るために何らかを諦めたり、控えたり、
治るために避けてきた問題と向き合ったり
治るために家族とのぶつかり合いを経験したり
どれもこれも、家だから出来ることではないでしょうか?
そして、入院という限られた世界ではなく、自由な生活の中でこそ、本物の回復につながるのではないでしょうか?
私は、入院費用を事前に知っていたら、もっと早くに真剣に治ろうとしてのかもしれない・・と思っています。
医療にコスパという考え方は無いのでしょうか・・・。