通勤、通学、すべての活動に自粛が強いられる中、

様々な事情で子供を見れない、見てもらえない状況が発生し、途方に暮れる思いをされているご家庭もあるだろうと案じております。

 

かつて私もワーキングマザーでしたので、色々な経験をしています。

 

 

 

 

ずいぶん昔の話で恐縮ですが、私が今の仕事の足がかりとして、社会と接点を作り始めたのは子供が1歳になったばかりの時です。

 

それまで専業主婦で社会経験も浅く、キャリアもなければコネクションもなし。

自由になるお金もなければ手に職もない。

社会のルールさえ既に見失っている状況でした。

 

何かやりたいと思っても身動き取れず、民間の保育所に時間で託児するには費用がかかり過ぎるため、資金的にも難しく。。。

親に見てもらえる環境もなく。。。

 

 

まさに八方塞がりだったのです。orz・・・

 

 

      28歳の頃。色々な事に行き詰まって悩んでいた時期

 

 

 

その当時、人生の壁にぶち当たっていた私は、なんとか社会との接点を見つけて活動の場が欲しいと切に願っており、

幸運にも某大手料理教室の講師の仕事にパートで採用して頂きました。

 

 

平日の夜と土曜の昼間の週2日、時給800円、1回3時間だけの仕事でした。

これなら平日の夜だけ託児をし、土曜日は夫に見てもらえるだろうと言うことで、なんとか実現できたのです。

 

 

さて、平日の夜の託児問題ですが、出来るだけ職場に近く、預ける時間を最小限にしたいと思い、車で40分ほどの24時間体制の託児所を見つけました。

 

 

ところがいざ子供を預けようにも、託児に慣れない我が子が大泣きして、タコのように私に全力で張り付き、それを無理やり引き離して置いていく時は相当胸が痛み、毎回後ろ髪を引かれる辛さに、心折れそうになりました。

 

 

半分涙目で前を向き、こんな思いをさせて仕事をさせてもらうのだから、全力で頑張ろうと思いいざ出陣!!

 

 

 

料理教室は作業台ごとに1人講師がついて、説明から実習まで1時間と言うスケジュールで回します。

その間全くアイドリングタイムなしで3回転するので、時間との戦いです。

 

 

3回分の材料や調理器具を準備し、終わった後の片ずけをするのに、前後30分ずつは最低必要で、託児をどうしても4時間で収めたい私は、講師仲間と雑談ひとつする時間もなく、怒涛の4時間を職場で過ごしては、全速力で走ってお迎えに滑り込む有様でした!笑

 

 

仕事はとてもハードで、おまけに3時間の賃金に対し、託児代を引いたら大赤字です。

それでもとにかく楽しくて、世界や夢が大きく広がり、まさに水を得た魚のようでした。

 

 

 

さて、託児問題に戻りますが、、

 

 

料理教室内には小さな託児室がありました。

ガラス張りになっていて、子供の様子もよく見える作りになっており、講師仲間から、前任の店長はここでお子さんを預けて働いていたという情報を得たのです。

 

 

ここに我が子を預けられたらどんなに安心だろうと思い、

意を決して店長に掛け合ってみたのです。

 

 

結果は、、、

 

残念なことにバッサリ却下されました。orz・・・

 

ここは生徒さん用の託児室だから、スタッフは使えないの

一点張り。

 

 

店長と言ってもまだ22歳の独身女性で、子供を持つ母親の気持ちなんて理解できる訳もなく、融通のきかない理不尽な対応にやりきれない思いでした。

 

 

シッター代も払うし、平日の夜はOLさんばかりで空室状態だと言うのに!!

 

 

 

 

お世話になっていた託児所は繁華街に近く、24時間体制ということから、色々な家庭の事情を抱えたお子さんがいて、毎日のように夜をそこで過ごす幼い子供たちが何人もいました。

 

そして、預けに行く度に泣き叫ぶ我が子に優しい言葉をかけてくれたり、遊んでくれたりと、本当に小さな子供たちに救われました。

 

料理教室では唯一子供を持つ私に、講師仲間が準備を手伝ってくれたり、時間がない事を気遣ってくれたりと、随分助けられました。

 

写真左手は当時からの長いお付き合いで、今もサポートして頂いている

パン料理研究家の海野綾子先生♡

 

 

 

 

最近ある取材で、子供の孤食についてどんな影響を及ぼすのか問われた事があり、正論を答えざるおえない場面がありました。

 

様々な事情があっての結果で、誰も好き好んでそのような環境を作ったわけではありません。

 

致し方ないことに対し、悪影響ばかりを並べても、何の救いにもならず、むしろ追い詰めかねないとさえ思います。

 

 

子育てをしていると、誰もが時には泣きたくなるような出来事に遭遇します。ましてや仕事を抱えていると、どれだけピンチにぶち当たるか知れません。

 

母も子も何かを犠牲にして乗り切らなければならない時期があったり、その空洞を別の形で埋め合わせようとしたり、愛情の帳尻合わせを考えながら親も子も共に成長していくのではないでしょうか。

 

日々葛藤する中で、ふとした人の温かさや、何気ない言葉に、どれだけ救われ、やり過ごせるか計り知れません。

 

 

私もかつて様々な人達から救われたように、こんなご時世だからこそ、思いやりや優しさを忘れずに、日々過ごしていきたいと感じます。