2年程前から大人バレエを始めた。

五十の手習いだ。自分でも驚いている。

自分を人生の中で、バレエをやる日が来るとは想像も出来なかった。


公民館で引退したバレリーナに習っている。

最初は生徒3人だったのが、今は十人を越えている。

その中で断トツの年寄りで、断トツの劣等生だ。


この劣等生と言う立場が心地よい。

最初は何しに来ているのか訝しげだった先生も、断トツに劣等生で、しかし、大真面目な生徒を受け入れてくれている。


皆が出来る事が普通に出来ない。

それでも悔しく無い。だって最初から上手くやれるなんて思って無いから。

後から入って来た人の方がずっと上手い。

でも気にしない。

少しでも自分が出来るようになれば良い。


子供の頃から、劣等感が強かった。

兄姉と比べられたし、自分でも他人と比べていた。

甘やかされて育ち、出来なければ泣いた。

泣いて努力しなかった。または誤魔化して生きて来た。


仕事をして、一生懸命だと褒められた。

人に褒められたなんて初めてで、嬉しかった。

自分は出来るんだと勘違いした。

そして挫折した。鬱になった。実際鬱だった。

死んだ方が楽だと思った。


英語の勉強をした。懸命にした。

初めて自分の意思で勉強した。

それでも何者にもなれなかった。


鬱だからと沢山の言い訳もした。

今もそれは変わらない。

劣等感に首を絞められ、胸をナイフで刺されるような痛みも感じる。

実際、鬱なのだろう。もっと楽に生きたいとずっと悩んで来た。


バレエで劣等生である事は何も痛みを感じ無い。

ただ必死に先生の言うようにやりたいと素直に前向きになれる。

バレエをしている時は、一心不乱で、他に何も考えない。


私に必要なのは、劣等生である自分を赦す事だった。五十も後半になって気が付いた。


私は家事が出来ない。仕事も出来ない。子育ても出来ない。

そんな自分を赦し、受け入れ、素直に、ひたむきに、前向きに、諦めずやり続ける事。

それが自分を傷付けない唯一の方法だと今更分かった。


明日から頑張

続きは明日書こう?らお休みなさい。