二次創作Ⅴ(5) | ~トーラムメモ(オルクス兼)~

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【注意】
・主にシナリオの感想・考察・NPCまとめになるため、倒し方とかの攻略系は有りませぬm(_ _)m

すらまっぱぎー…やかんです(^^ゞ

今回からいよいよ、アルクとヴェルトの過去が語られます~

やかん「それでは安定の妄想で開ま」

シロ「開幕っ!」

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第5話〈宣誓〉

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ソフィアの街。
知の女神ピーノが最高執政官を勤めるその街は、様々な身分、思想、種族が混在した活気ある街だ。
政庁ではピーノを筆頭に、今日も数多くの役人たちが働いている。

役人の多くは貴族など身分の高い人が占めており、その子供も役人の卵として街のある学院へ通う。

その学院は街の中でも1位、2位を争う学力の高さと学費で有名だ。
真っ白い壁、高級そうな勉強机…
一般民にとっては雲の上の世界と言っても過言ではない。

その学院にはアルクとヴェルトも通っている。
彼らの親は役人を勤めており、彼らもまた役人を志願しているのだ。
その学院ではちょうど、上半期の中間テストの結果が廊下に張り出されていた。

ヴェルト「凄いですね、アルク。今回も学内成績5位ですよ。
しかも戦術学じゃ1位じゃないですか。」

アルク「―そういうヴェルトも、経営学と経済学では1位だろ。そもそも戦術学は受講生が10人しかいないんだから、100人近い受講生がいる経済学とか経営学と比べるなよ。」

アルクはため息をついた。しかし、そういうアルクも経済学の順位は3位である。
周りには嫌みにしか聞こえない。

ヴェルト「アルクって、将来は父親と同じく役人になるんですよね?
なのに、何で戦術学を受けてるんですか?必要ないでしょうに。
…もしかして、あの夢を諦めきれていない…とか」

アルク「お前から身を守るためでもあるんだよ!」

ヴェルトは学院の中でも物腰が柔らかい事で通っているが、昔馴染みのアルクだけはヴェルトの悪癖を知っている。
それは、魔法を一度使うと発狂して暴走することだ。
以前にアルクの邸宅で勉強会をしていたとき、夕方になって部屋が暗くなったため、ヴェルトは魔法でロウソクに火を灯した。
しかしヴェルトはその直後、突然狂ったように呪文を唱え、爆裂魔法を乱発させて部屋を吹き飛ばしたのだ。
以来、ヴェルトは魔法を一度も使っていない。

アルクの言葉でその事を思い出したのか、ヴェルトの顔が曇る。
アルクは慌てて首を横に振った。

アルク「ま、まぁ、でも一番の理由は野蛮なストレイエの連中を管理するためかな!」

「野蛮な!?聞き捨てならないわね、アルク!」

突然、後ろからキイキイとした声が聞こえてきた。
振り返ってみると、目をつり上げた少女が仁王立ちしてアルクをにらみつけている。
その少女の服装は、富裕層ばかりが通う学院に似合わずところどころほつれている。

アルク「また、イリスか。」

アルクはため息をつき、視線を順位表の方に戻した。
しかし構うことなく、その少女――イリスは話し続ける。

イリス「ストレイエは街にとってとても大切だわ。外の怪物を退治して街を守っているのも、彼らのおかげでしょう?
なのに、最近はまともな賃金も払わない。今の役人がおかしい証拠だわ!」

また、役人への不満か。

アルクは頭を抱えた。
イリスは、この学院では珍しく一般階級の家の出だ。おまけに役人志望でもある。
役人志望に富裕層が多いからか、学院内ではイリスに対して風当たりが強い。
更に教師も役人の息がかかった人が多く、イリスは完全に孤立無援だ。
しかし彼女は全く動じず、事あるごとにアルクに突っかかっては、今の役人がいかにダメかを力説してくるのだ。

アルク「じゃあ尋ねるが、先日、ある役人の邸宅にストレイエの傭兵が押し入って武器を振り回したそうじゃないか。
いくら賃金が低いからって、人間を襲う奴のどこが野蛮でないと言える?」

イリス「あれは役人も悪いわ。魔物討伐を依頼しておいて、後になって魔物から街を守るのは当然の事だって言って、支払いをけちったそうじゃない。
魔物討伐は命懸けなのよ。命を軽んじるような行為、今の役人は腐ってるとしか言いようがない!役人の世界を変えなきゃいけないのよ!」

アルク「だから人に武器をふるって良い理由にはならないだろ。
それに誰が役人の世界を変えるというんだ?
順位表にすら入っていないお前が役人になれるわけないだろう。
それに、相応の服も買えない君が、卒業までの学費を払えるかどうかも怪しいところだな。」

イリス「ぐぬぬぬ!」

二人の間に火花が散る。
見かねたヴェルトは、アルクとイリスの間に割って入った。
ヴェルト「二人とも落ち着いてください!アルクも煽らないで下さいよ。
そんなに言うなら、アルクの昔を言いますよ?アルクはね、小さい頃ぜん」

アルク「わああぁぁっ!!」

アルクは叫びながらヴェルトの口を塞いだ。何故か顔は真っ赤だ。
イリスは首を傾げて見ていたが、やがて元の表情に戻ると、

イリス「見てなさいよ!私は必ず役人になって、今の役人の世界を変えるから。」

アルクを指差して宣言すると、廊下を歩いていった。

――全く、大きく出たものだ。今の役人の世界を変える…か。
そんな事が出来るものなら、俺は今ここにはいない…

すると、不意にヴェルトがアルクの肩をぽんと叩いた。

ヴェルト「そろそろ授業ですよ。教室に戻りましょう。
それにしても…皆は想像もつかないでしょうね、昔のアルクは“ヒーローになるんだー”って言って、全裸で走り回って」

アルク「わあぁぁあ!!だからそれ、絶対に学院では言うなって!」

アルクは思わず、ヴェルトの背中を平手打ちした。


名家出身、役人志望 アルク。
彼はまだ、イリスの事を何も知らない。

To be continued ...
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イリスとアルクは不仲なようです…

シロ「アルク最低ー(-""-;)」

アルク「(/´△`\)」

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