すらまっぱぎー…やかんです(^^ゞ
不仲なアルクとイリス。
そんな中、一つの事件が起こります…
今回も安定の妄想でゆきます(^^ゞ
クロ「それでは、かいま…く…Zzz...」
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第6話〈秩序〉
昼休み。
学院の食堂は多くの学生で賑わっている。
流石、街中の富裕層が通う学院だけあってメニューも豪華、値段も高い。
そんな中、イリスはいつものようにパンとミルクだけ購入すると、食堂の端の席に座った。
すると今日は珍しく、向かいの席に誰かが座ってきた。
ヴェルトだ。
イリス「あら、ヴェルトさん。どうしたんですか?」
ヴェルト「いえ、アルクが係の仕事でなかなか来ないので、先に来て待とうと思いまして。
…あと、イリスさんにこれを。」
ヴェルトの手には、『経済学』と書かれた分厚い本があった。
表紙は革で出来ており、いかにも高価な代物だ。
ヴェルト「イリスさんの家って学費を払うのが手一杯で、教科書を買う余裕が無いって聞きまして。
私、この本の中身はもう覚えているので好きに使って構いませんよ。」
イリス「こ、こんな高級な…」
イリスが躊躇していると、今度は横から数人の男の声がした。
「おやおや、また場違いの人が貧相な食事をしてますねぇ?」
「教科書も買えないとか…ウケるんですけど!」
「迷惑とか思わないのかな~」
ムッとして振り返ると、そこには三人の男子生徒がイリスを見下ろしていた。
三人のうちリーダーと思しき生徒には、制服の襟に何かの紋章が彫られた金のバッジが付けられている。
ヴェルト(あの紋章、どこかで…)
ヴェルトが紋章に気をとられている横で、イリスは椅子から立ち上がると真っ直ぐと三人の生徒を見据えた。
イリス「確かに今は家族に負担をかけてると思うわ。迷惑だって思っているかもしれない。
けれど私が役人になって街の状況を良くすれば、私の家族だけじゃない、街の人達みんなが幸せになる。幸せにするの!」
イリスの怒声に食堂はしんと静かになる。
が、その直後、その三人は愉快そうに笑いだした。
イリス「なっ…」
「“家族”に迷惑?違うな、これだから愚民は…。
僕が言った迷惑っていうのは、“この学院において”迷惑だって言ったのさ。
もっと分かりやすく言ってやろうか?
君がいると実に不愉快。教養のない人がいると学院の秩序が乱れるのさ!」
イリス「何を…!愚かなのはあなた達の方…」
ヴェルト「イリスさん、だめですっ!」
イリスが反論しようとしたとき、ヴェルトが突然耳打ちしてきた。
ヴェルト「あの紋章どこかで見た事があると思ったら、代々役人の上層部を勤めている名家の紋章ですよ。
流石に喧嘩を売るのはまずいです…」
イリス「でも、権力を恐れて何もしなかったら何も解決しないわ。
それに学院は学ぶための場所よ。この人達の気分に合わせる場所じゃない。
私個人の夢をとやかく言う権利だってないはずよ。」
それを聞いた三人組のリーダーは不敵な笑みを浮かべると、仲間の二人に合図を送った。
「あーあ、やっぱり愚民には言葉じゃ駄目みたいですね。
秩序を乱すとどんな罰を受けるか…僕が直接教えてあげましょう!」
その言葉と同時に、取り巻きの二人はイリスの腕を押さえつけた。
イリスは逃れようと必死にもがくがびくともしない。
イリス「こんなの犯罪行為だわ!今すぐ止めなさい!先生もこんなの許していいんですか!?」
イリスはもがきながらも必死に訴え続ける。
しかし食堂に来ている生徒はおろか、教師も助けようとはせず、食堂の端に避難してしまっている。
皆関わりたくないのだ。
それをいいことに、取り巻きのリーダーは詠唱を始める。
ヴェルト(攻撃魔法!?いくら何でもやりすぎです…詠唱をとめないと!)
ヴェルトは咄嗟にイリスの前に飛び込むと、ありったけの魔力を集束させる。
イリス「ヴェルトさん…!?」
ヴェルト「術式 インパクト!!」
ドオォンッ!
ヴェルトの叫びと共に、強烈な衝撃波が辺りを吹き飛ばした。
To be continued...
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禁止していた魔法を使ってしまったヴェルト。
どうなってしまうのか(ノ‥)ノ
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