カーザ・ヴェルディ日記Vol.12 | メゾソプラノ藤田 彩歌OfficialBlog

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スカラ座の第一ヴィオラ奏者とソリスティ・イタリアーニという弦楽重奏のメンバーとして活躍された紳士が、日本ツアーの思い出について語ってくれた。
日本全国をバスで回って演奏されたらしいが、どこの町もとても綺麗だったこと、日本人が本当に親切だったこと、想像していた以上の治安の良さなどを、つい昨日のことの様に興奮して話してくれた。
終演後に可愛らしい小さな男の子がプログラムを持ってきてサインをせがんで来たので、喜んでサインをすると、ものすごく嬉しそうな笑顔で走って行ったという。

以前カーザ・ヴェルディ内のある会で、彼の世界ツアーについてインタビュー形式で聞く機会があった。「具体的にどこの国へ行かれましたか?」という問いに対して、「日本に行った。日本は良かった。」と答え、司会者が「他にはどこへ?」と聞くと「日本は忘れられない。」と答えた(笑)。その後司会者が実際に演奏に行かれた他の国々も紹介したが、彼は決して認知症などではない。私のために「日本、日本」と言ってくれたのか、実際に行かれた国の中で日本が一番印象的だったのかは分からないが、いずれにしても私の母国を外国人の方が「大好きだ」と言ってくれるのは、とても嬉しい。

イタリアに来て一年。アジア人が嫌いというイタリア人も残念ながらいるが、「日本人にしか家は貸さない」という熱狂的日本人大好きなイタリア人の大家さんなどもいる。国際化でどんどん国境の壁がなくなっている今、○○人という先入観を持って人を判断する時代は終わっていくと思うが、「日本人は信用できる」「日本人は綺麗好き」という有難い先入観に、私達留学生は助けられている面もある。良いイメージを残してくれた〝誰か″の様に、私も外国人と接していきたい。
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《写真》
日本ツアーについて話してくれたヴィオラ奏者の紳士と、パートナーのご婦人。お二人はカーザ・ヴェルディ入居後、パートナーになられたという。