あの喧騒の中で起きていたバブル期。
その真っ只中にいた佳那と水矢子。
そして成り行きのように証券会社に勤めていた同僚の望月と結婚してしまい、花の東京にマンションを借りる。
そこでの暮らしは、望月が仕事を辞めて欲しいと言い、専業主婦となった佳那は暇を持て余していた。
そして望月の仕事相手のヤクザの山鼻の愛人である美蘭の手解きでホスト遊びにのめり込んでゆくのだが、しかしバブルは所詮、バブル。
終焉がゆっくりと確実に足音を忍ばせていた。。。
私はこのバブル期には巻き込まれてはいなかったというか、終焉の時に確かブラック企業(汗)に勤めていました。
確かにバブルの足音が聞こえてはいたんだけれども、それを耳にしながら聞こえていない「フリ」をしていた感じがします。
お金の金遣いも荒かったような。
貯金はするんだけれども、そこから湯水のように使っていた記憶があります。
今、あのお金があったらなぁ。。。という思いもちょっとだけ💦
望月から姉の居場所をあの粘着質の須藤に告げ口していたと言われた佳那は、やがて望月との結婚が破綻していく音をひたひたと聞きます。
ヤクザの山鼻のお金も使い込んで、しかも医者の須藤のお金も使い込んで。
経費だと言い、スナックや夜の街で夜な夜な豪遊を続けていた望月にも終焉が来ます。
その没落ぶりったら。
「私は真珠。でも紛い物やけんね」と言っていた佳那の言葉が悲しく響きます。
占い師の元で一緒に暮らしていた水矢子は、客の一人から「あなたはダイヤモンド。しかも硬くて原石」と言われ「私のダイヤモンドは決して光らないのだ」と納得がいきます。
ラスト、佳那の冷たい手を取った水矢子。
彼女は佳那の幸せだけを考えていましたが、そうはいかないのが桐野作品。
読んでいくうちに「ぎょえー!」となりました(汗)
まぁ、あの時代は読んで字の如しのバブルでしたよね。
二度と来ない気がします。