おすすめ本 「真珠とダイヤモンド(上)」 桐野夏生 著 | ココアラテぷらす、ときどき読書

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子宮筋腫発覚!どうなる私!?
2019年にステージ0の乳ガンが発覚しました。(5月20日に手術しました)
婦人科と皮膚科と外科にも定期的に通院してます。

桐野さんの待望の新作となっていましたが、予約が恐ろしいほど入っていて、やっと順番が回ってきた本となりました。

 

物語はバブル期真っ只中。

証券会社で働く、短大を卒業した美しい佳那と、もう一人は高卒の水矢子。

貧しい環境で育った2人だったが、とあることをきっかけに元々フロアレディだった佳那は、株を売り上げるということに目覚めてゆく。

「成り上がりたい」志向が強かった佳那は、やはり成り上がり志向がとても強かった望月とタッグを組み、佳那の姉に粘着質のように付き纏っていた医者の須藤を罠にかける。

そしてあのNTT株の登場。

一気に会社の機運も上がり、抽選だったNTT株の注文を取りまくれ、という会社の意向により、望月はとある人物へと近づく。

それは危険な匂いを纏った男だった。。。

 

 

「真珠とダイヤモンド」というのは、佳那と水矢子のことなのかなぁと思いつつ、読み進めましたが、冒頭でなぜか水矢子がホームレス状態でウロウロと公園を歩いているところからスタートします。

あの証券会社での享楽ぶりを少しだけ知っていた私はその場にいるような感じになり、ウキウキしながら読んでいました。(しかもバスの中で)

当初、水矢子はまるで株には関心がなく、東京の大学に進学することを夢見ており、2年で会社を辞めると自分でも思っており、同じ会社の友人に連れられて行ったゲイバーの美穂から、自分の人生は自分で切り開くことを指し示されます。

 

凡庸だった水矢子は物語の最後の方で、自分に取り憑いていた母親を払拭するように夜の街でバイトを始めるのですが、その変容ぶりに望月の触手が動きそうな感じになったのには少し笑えてしまいました。

 

24時間、働けますか?の時代だったかと思います。

下巻が楽しみなところだったのですが、ちょうどいいところというか、望月がピンチのところで上巻が終わってしまいました。(さすが桐野さん)

表紙は、Kaminさんというイラストレーターの方が手がけているそうですね。

さてさて、下巻はどうなることやら。

 

 

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