「悪い夏」の著書でもある染井さんの最新の本となります。
シングルマザーで婚活のアドバイザーでもある亜紀は、とある顧客とトラブルを抱えてしまった後に、無言電話やポストにゴキブリの死骸が入っていたりと嫌がらせを受けていた。
一方で、息子の小太郎が通うクラスでは、クラスメートの女児が行方不明となっていた。
そんな最中、亜紀は、嫌がらせに辟易しており、さらにはDVで離婚をした夫からの復縁を迫られる電話にも悩まされていた折、同じ会社に勤めている謙臣は、彼女にとても優しくしており、亜紀は、密かに惹かれていく。
そんな最中、ある日、出勤しようとした亜紀のアパートの玄関に血と思われる液体がぶち撒かれ、謙臣に相談したところ、防犯カメラを玄関に取り付けてくれるという。
そこに写っていたのは、その嫌がらせの相手、藤子と思われる髪の長い女性が写っていた。
さらには無言電話も続いており、もう一歩の猶予もできないと思っていたが、謙臣の勧めで、彼の実家である寺で息子の小太郎と一時、避難することに。
そして、小太郎のクラスの担任である長谷川は、まるでモンスターペアレントと化していた生徒の母親から行方不明となっていた女児がどうやってまるで神隠しのようにいなくなったのがなぜそうなったのかを一人で推理するのに付き合わされ、辟易していた。
長谷川の兄である風介は、離婚しており、一時的に長谷川の家に居候していた。
その兄は頭が非常によく、女児の行方不明の事件の様子を聞き、推理を組み立てる。
そんな最中、小太郎は懐いていた謙臣に不審を抱く。
担任である長谷川と常に連絡をとっていた亜紀は、電話に出なくなった長谷川を案じるが、一方の亜紀と小太郎にも危機が迫っていた。。。
タイトルの「黒い色」というのは、本書を読んだら明らかにはなるのですが、こんなに黒い思いを持って生きている家族は久々に読んだ気がします。
それにしても為井さんの本は予想を裏切らない本だと感じました。
しかし、嫌がらせをしていた藤子が恐ろしい。
会社に突撃訪問。
亜紀にも散々嫌がらせをしていたと思われる彼女にも嫌がらせをされていたのですが、それは誰なのか?というのもお楽しみなところかと思います。
小学生というか子供って本当に怖いのね、と思った作品でした。