その日、私は午前1時に既に目が覚めていた。
父が急逝したストレス(何故ストレスになっていたのかというのは後述します)が続いて早朝覚醒が続いていたのだ。
気持ちが相変わらず悪いまま、支援所へ行く用意をしていると、突然、私自身が揺れた。
いや、揺れたというよりも、縦に跳ねている。
立ち上がれない。
「地震だ!」と思った瞬間「ゴー!」という音とともに、何度も飛び上がった。
こんなに揺れた経験はかつてなく、私は無くなった父に助けてもらおうと「パパー!」と思わず叫んでいた。
それでもグラグラと物凄い縦揺れがつづいていた。
それがピタッと収まったのは、揺れ始めてから7〜8分の事だった。
「震度5弱」
後に私が住んでいた地域は震度5弱もあったのだと、後で気づいた。
電気がすぐに一斉にショートして、全ての灯りが消えた。
停電になったのだ。
そして、外へ出てみると、近所の人たちも続々と安否確認のために、真っ暗な中、出てきていた。
皆、真っ暗な最中、懐中電灯を手に、各々の無事を言い合い、停電になっていることも改めて確認した。
しばらくして、隣の Kさんが「それじゃ、私、寝るわ」って言って、家へ戻っていった。
物凄い心臓の持ち主だ。
私たちも家へ戻った。
居間は物が落ちて、ぐちゃぐちゃ。
足の踏み場も無かった。
被害といえば、コップが数個、割れただけで済んだ…と思っていた。
でもそれは後に違うということが分かった。(これも後述します)
食器棚の食器も割れていなかった。
タンスはかろうじて、無事だったようだ。
でも普段使っていない私の部屋はというと、書籍が雪崩のように落ちていた。
その数はざっと30冊程だろうか。
今でも時間が無いのと余震が怖いので、部屋にはあまり近づかないようにしている。
新聞がやってくるのをジリジリと待った。
新聞屋さんがやっと来た。
でも新聞はなかなか来なかった。
やっと真っ暗な中、新聞が来た。
私たちはそれを貪るように読んだ。
地震の事は載っていない。
当たり前といえば当たり前なのだが。
午前3時過ぎに起きた地震だったので、きっと輪転機が間に合わなかったのだろう。
私は朝6時になるのをジリジリと待っていた。
我が家の近くにはセイコーマートがあって、そこで食料を調達できると考えたのだ。
でもその考えは甘かった。
お店の中を外のガラス越しに見てみると、何と、ワインの瓶が何本か落ちて、床にワインがぶちまけられていた。
これがお昼の営業時間だと思ったら、ゾッとした。
けが人はいなかったのだろうか?
近くからゾロゾロと人が集まり始めた。
朝の開店時間が過ぎる。
それでもお店のシャッターは閉じたまま。
きっとオーナーも地震で来れないのだと諦めて、20分ほど、そこで粘ったが、結局、お店が開かなかったので、私は家に一旦、帰宅することにした。
後から聞いた話だと、どうやらその日、お店がオープンしたのは朝8時だという。
私は12時ぐらいにお店に行ってみると、お店の中には続々と物を求めて買い物客がレジに並んでいた。(続く)
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