宮殿での再会の最後にお祖母様が言っていらした。
「府院君殿とお友達も病院で首を長くしてまっておられるでしょう、早く行っておあげなさい」
お姉さまが私の為にパパやママ、ガンヒョン達まで呼んでおいてくれたんだって。
逸る気持ちを抑えつつ車へと乗り込む。
「どうした?浮かれ女」
「何よシン君、パパやママに会えるのに浮かれてちゃいけない?」
「いいや、お前が嬉しそうで良かったよ。ただ勢いの余り走り出さないか心配でな」
「そんな事!……しない…と思います」
「どうだかな」
シン君に呆れ顔で笑われてちょっとむっときたけれど言い返せないのが悲しくもある。
私の身体を心配してくれてるんだってわかるからいいけどね。
車がゆっくりと病院への道を行く。
こんなにゆっくり感じるのはやっぱり私の気持ちが急いでるからだろうか。
半年振りの韓国だと言うのに周りの景色をみる余裕すらない。
少しでも気持ちを落ち着かせようと大きく息を吸い込んだ…。
宮内庁病院に着くと真っ先に病室へと案内されるかと思いきや、
院長からの挨拶やら担当医らの挨拶やら入院中の注意事項やら…。
私はそれどころじゃないのにとそわそわしていると途中シン君からこっそり小突かれた。
よっぽど顔に出ていたのだろうかシン君の笑顔が少し怖い。
なんとかその場を乗り切ってようやくみんなの待つ部屋へと案内される。
扉を開くとそこにはなんだか懐かしい顔が沢山あった。
「チェギョーンッ!」
「おぉ~チェギョン姫~」
「パパー、ママー、チェジューン!」
「おぉブタ元気だったかー」
家族4人でいつものように抱き合った。
懐かしいパパとママとチェジュンの声。
あれ?
「ちょっとチェジュン!姉さんって呼ぶんじゃなかったの?」
「へっ?そんな事言った覚えはないけど?」
「なによそれー!あんた私がマカオに行くとき言ってたじゃない」
「そうだっけ?それより見てくれよこの筋肉!ブタが居ない間がんばったんだぜー」
ゴホンッ!
いつもの様にシン君が咳払いを一つ。
パパやママはやっぱり気づいてなかったのか慌てて姿勢を直す。
「お久しぶりです。私は少し席を外しますのでごゆっくりしていってください。
チェギョン、隣の部屋にいるから何かあったらすぐ呼べよ」
「ありがとう、シン君」
いつもの作ったようなロイヤルスマイルではなく温かいシン君の笑顔にうっとりしていると室内が妙にざわついていた。
「あれは誰?」
「誰ってそりゃーお前皇太弟殿下だろう」
「あんな風に笑う殿下、見たことないわ」
「私達も5歳の時から追いかけてるけどあんな殿下見たことないわ、おばさん」
なんだか皆不思議そうな顔をしているけどそんなのお構いなし。
さっきまで大人しかったのにシン君が出て行ったとたんに騒ぎ出したヒスンやスニョン、それにガンヒョンに私は抱きついた。
「ガンヒョーン、ヒスン、スニョン!元気だった?」
「チェギョン、あんたこそ大丈夫なの?心配したんだからっ」
「そんな事よりさっきの殿下はなに?あんなお顔見たことないわ~」
「あぁんカメラ持って来ればよかった~」
「ちょっとあんた達!私の心配はないの!」
「あんな殿下を独り占めしてるくせに~贅沢よ~シン・チェギョン!」
「ちょっとくるしぃ、くるしいってばギブアップ!」
それから私達は色々な事を報告しあった。
私はマカオでの毎日の様子や出会った人たちの事。
ガンヒョン達は大学での生活の事。
隣で待っていてくれるシン君に申し訳なく思いながらもなかなか話は終わらなかった。
夕暮れの日が美しく窓から差し込む
黄昏が美しいのはまだ沈みたくないと必死で輝くからなのかもしれない
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