Ep8 蔵匿 見つからないようそーっと ④ | Love in Palace ~星の行方~

Love in Palace ~星の行方~

韓国ドラマ 宮 Love in Palace にはまりすぎて
日々の妄想を書き綴ったサイトです。

車が大学の構内へと入っていくといつもの事なのか生徒の群れが車を取り囲む。
高校の時から慣れてはいるけれどシン君の人気はやっぱりすごいものね。
翊衛士の皆が道を開けてくれてなんとか車から脱出する。


「キャーーー」


沢山の人だかりに揉みくしゃにされながらも懸命に走りぬけ校舎を目指す。
黄色い歓声を遠くに聞きながらようやく校舎へと入り一息つけた。



「相変わらずシン君のファンはすごいね」
「ふん、なに言ってるんだいつもの倍は人が居るぞ、皆お前を見たがってるんだろ」
「皇太弟殿下と妃殿下お二人一緒の所が見たいのよ~」


後ろからいきなり声をかけられ驚いたけれども、
振り返るとそこには笑顔でいつものメンバーがいた。


「スニョン!それにガンヒョン、ヒスン、おはようっ!」
「おいおい妃宮様、俺達には挨拶なしかよ」
「はははっ、皆もおはよう。皆がいると本当に学校に来たんだって実感できるわ」


拗ねたようなギョン君の言葉にしっかり突っ込みを入れているガンヒョン。
なんだかんだ言って上手くいっているこの二人のやり取りもなんだかとっても新鮮。
ヒスンとスニョンも相変わらず二人一緒になってシン君に見惚れているみたい。
シン君はといえばいつもの事なのかイン君と軽く挨拶を済ますとファン君になにやらちょっかいを出しているみたい。
こうやってまた一緒に生活を送れるなんて本当に夢のようだわ。
今ここに居ない仲間もきっとそれぞれ夢に向かってがんばっているんだろうな。
私も負けていられない。
遠くにいる仲間を想いながら大きく息を吸い空を仰いだ。


「チェギョン、授業までまだ時間あるし大学を案内してあげるわ」
「うん! じゃあシン君また授業後ね」
「あぁ、はしゃぎ過ぎて転ぶなよ」
「大丈夫よ、失礼ねぇ!」
「どうだかな?」
「それじゃ行って来るねぇ~」


そんな憎まれ口を叩くシン君にこれ以上言い返せなかった私はそそくさと退散した。
それからはガンヒョンたちに校舎を一通り案内してもらった。
私達の通うのは王立総合芸術大学は沢山の学部が置かれていて校舎もだだっ広い。
一度では覚えきれない程だけれどガンヒョンたち曰く、

(自分達が使うのは美術学部の校舎とカフェテリアくらいだからそんなに迷う事もないわ、いくらチェギョンでもね)

なんて冗談なのか本気なのかそんな答えが返ってきた。
美術学部の他にもシン君の通う映像学部、音楽学部、舞台芸術学部などなど……。
細かくあげたらきりがないほど、まぁ芸術やデザインと名のつくものは大体学べる学校なの。
ようは高校と同じような環境だけれど規模が全然違うのよね。
シン君と大学内で会う事なんてあるのかしら?
なんて事をぼんやりと考えていた、すると……。


「きゃっ!」


ドンっという鈍い音と共に見事に後ろに尻餅をついた私。
どうやら誰かとぶつかってしまいそのまま倒れこんでしまったみたい。
慌てた翊衛士のお姉さん達が駆け寄ってくるが私にはこれといってなんともない。
けれど私にぶつかった人の方が心配だわ、大丈夫かしら。
上の空で歩いていてぶつかったあげく怪我までさせてたらシン君にまた笑われるわ。


「ごめんなさい。大丈夫でした?怪我はない?余所見して歩いていたからホント大丈夫?」


私の矢継ぎ早な質問にも答えずスクッと立ち上がった彼は埃をはらい衣服の乱れを正すとこちらに向かって手を差し伸べてきた。
その顔は溢れんばかりの笑顔で。


「こっちこそごめん。ちょっと考え事してて……」



秋めいた朝も何処へ行ったのか、
日が昇るにつれて暑さもまたその姿を露わにした 

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