2000年に発達障害者支援法ができたことで、今まで支援の手が及ばなかった子どもたちにも支援の手が届くようになりましたが、これと同時に大人たちが子どもを見る目の中に、「この子は発達障害かもしれない」という思いが加わったのも事実です。
みんなと同じ行動ができない、気になる行動をとる子どもたちが「発達障害を疑われる」ケースは確実に増えています。
あとで紹介する本の著者の小児科医の成田奈緒子さん(専門領域:障害児病理学、小児科学、発達脳科学)は、「急激に増えた発達障害を疑われる子の中には、そうではない子どもたちが含まれていると確信している」とおっしゃっています。
発達障害の児童数は、2006年は約7000人、2019年は7万人、2020年には9万人を超えました。
2022年度の全国の公立小中高等学校の児童生徒約9万人を対象に行われた発達障害児に関する調査の結果、発達障害を疑われる子どもたちが小中学校においては8.8%もいることが明らかになりました。
但し、この調査は、発達障害の診断ができる医師が行ったものではありません。
過去に2度行われた同様の調査もそうです。
学校現場にいる教師があくまでも主観的に児童の言動を評価する形式で行われたものであり、明確な診断基準(DSM-5)に照らし合わせて行われたものではないのです。
発達障害は、先天的な脳の機能障害と定義されています。
その診断を下せるのは医師だけです。
発達障害かどうかは、専門医が「生まれた時からの生育歴」を聞きながら、診断基準に照らし合わせていく必要があります。
ところが、生育歴には全く問題がないのに、つまり発達障害ではないのに、「発達障害のような行動」が見られる子供が増えているのです。
その原因として考えられるのが、生活リズムの乱れと、テレビやスマホ、タブレットなどの電子機器の多用です。
逆に言えば、発達障害のお子さんは、生活リズムが乱れていなくても、電子機器を多用していなくても、日常生活の中で様々な困難が見られます。
子どもだけじゃなく、大人だってそうですよね。
深夜まで起きていたり、睡眠不足だったりすれば、イライラしたり落ち着きもなくなります。ミスも忘れ物、遅刻も増えます。
なぜなら、私たちは、昼間に動いて夜は眠る、昼行性の動物だからです。
早寝早起き 朝ご飯を食べる
朝日を浴びる
この人間としての生活リズムの中で得られる刺激が、脳を育てるのです。
「発達障害」と間違われる子どもたち/成田奈緒子著
この本は、「うちの子は発達障害なんじゃないか?」と不安になったことがある親御さんたちにぜひ読んでほしいです。
これからパパやママになる方にもお勧めしたい「育児書」です。
書いてあることはとてもシンプルです。
でも、年齢に関係なく、私たち人間にとってとても大事なことだと思いました。
毎朝必ず日光浴をする、はな
(セロトニンが分泌されて)とても幸せそうなはなの寝顔。
それを眺める私も(オキシトシンが分泌されて)とても幸せです