「夜食べないと眠れない」「寝る前の食欲が止まらない」「途中で起きると食べずにはいられない」ことを、「夜間摂食症候群(nocturnal eating syndrome:NES)」と言います。
NESの原因は、レプチン(食欲抑制作用)、グレリン(食欲促進作用)、インスリン、メラトニンなどのホルモンの関与などが指摘されています。
夜遅くに食事をすると、睡眠中に消化活動が行われることで睡眠を妨げて睡眠不足を招きます。
睡眠不足になると、血液中のレプチン濃度が減少することが分かっています。
これに加え、以下の悪循環がNESの原因とされています。
1)本来夜間に上昇するレプチン濃度が低下し、食欲の抑制が効かなくなる。
2)朝食前の空腹時にピークを迎えるはずのグレリンの分泌も、夜の無茶食いのせいで抑制されて朝の食欲が出ない。
その反動の食欲が夜にまた訪れる。
3)夜間の食事でインスリン分泌量が上昇するため、空腹感を感じやすくなる。
4)夜に上昇し眠気に関与するはずのメラトニン分泌量が低下し、不眠を引き起こす。
どんな人がNESになりやすいかというと、過度なストレスがあり、それを解消できない人たちです。
どんなことも頑張れば、その分ストレスになるので、当然報酬(癒し)が必要となります。
ところが、報酬よりストレスの方が大きく上回ってしまう日々が続くと、1日の最後にそのバランスの均衡をとりたくなるのです。
つまり、強く癒されたくなるのです
疲れている中で何も考えずに一番手っ取り早く自分に提供できる癒しは食べる事です
ストレスで眠れない状態(交感神経が高まっている)で食事をすると、副交感神経が高ぶって眠くなります。
これが夜の習慣になると、つまり「眠るために食べる」ことを行っていくと次第に、「食べないと眠れない」という考えに移行してしまうのです。
「食べないと眠れない・・・・」と思っている方は、NESである可能性が高いです。
まずは、夜型の生活リズムを改善して、朝はちゃんと起きてしっかり太陽を浴びることです。
また、ストレスを可能な限り減らせるように対策を練ることも大切ですし、食べること以外の癒しや、自分ひとりでできる余暇を楽しむ工夫も大切です。
不眠の対処としては睡眠導入剤や抗うつ剤などの薬物療法も有効です💊
ただ、ストレスを減らしたり、食べること以外の癒しや自分ひとりでできる余暇を楽しむ工夫は、自分ひとりではなかなか見いだせない習慣だと思います。
そんな方は、ぜひカウンセリングでご相談ください
一緒に頑張りましょう