赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER DELIQUESCENCE | aya風呂

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ちょっとまた書いてみようかな(´u`)

ここまで読んだモリヒロ作品の中で、ダントツ一番好き
2013年著作=作家モリヒロさん18年間、モリヒロ人生56年のエキスが結晶となって本作品になった感じ。

チャカポコチャカポコ

生・死、人間と人形、宇宙は幻想か、思考は自分のものか…「問い」だけに集中して読み返すとまったく違った世界に見えてくる。
自分の中にいくつかの問いや視点があると、不思議や事件も、ヒントや何かの象徴、新たな問いかもしれないとゆったり構えて眺めることができるかもしれない
事件に振り回されない静かな生き方がができるなあと思った。再読の世界は本の世界を離れてもできる…といいなあ

人間とロボットの違いってなんだろう。
例えば、自然の水と蒸留水にミネラルを加えた水は、何にとって、どこがどう違うのか。
人間らしく作り込まれたロボットは、感情も含めて最も人間らしく作っているのだから、それはもう人間なんじゃないか。医学の発達で、人間の体だって自然ものもではなくなった世の中だとして。
と、詰められるとフリーズしてしまう

直感的に抱く違和感をうまく説明してくれー。

私は、情報医学を専攻しました。私の患者の大半には、直接会ったこともありません。ただ、電子的なやり取りをするだけです。しかし、直接尋ねてくる人たちは、そいうった普通の患者ではない。かといって、単なる悩み相談といったレベルでは全然ない。話を聞くうちに、ああ、この人もか、と気づくことになるのです。皆、同じ。彼らが抱いている不安というか、疑惑というのか、それはつまり、自分が本当に人間か、という謎への帰結です。私にそれを問うのです。私に、その区別ができるだろうと迫るのです。

『赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER DELIQUESCENCE』