― 春夏秋冬、自然が教えてくれる色彩 ―
前回は、もみじ、桜を題材に、
平安時代の装束文化に見られる
「襲(かさね)の色目」を取り上げました
日本には、古くから自然の草花や木々、
季節の風景を色彩に取り入れてきた文化があります。
今回は、春夏秋冬、それぞれの季節に見られる色彩を、
写真とともに眺めてみたいと思います。
🌸 春 ― 花が彩る、やわらかな色の世界
春になると、自然の中にさまざまな色が戻ってくる
梅の紅や白、桜の淡い紅色、菜の花の黄色、
そして芽吹き始めた若葉の緑
平安時代の色目にも、梅、桜、桃、柳、山吹、藤など、
春の植物にちなんだ名前が見られる
一つの花を眺めるだけでなく、
花と葉とか背景との色の組み合わせにも美しさを見いだしていたと思われる
写真では、水仙の黄色と橙色、菜の花の黄色と背景の色、可憐なチューリップ
八重桜のピンク色と若葉の組み合わせを選んでみた
(前回の記事を参照)
春 作例 1
春 作例 2
春 作例 3
花の色だけでなく、背景にどんな色を取り込むかによっても、
写真の印象は大きく変わる
春は、色が戻ってくる季節なので、
写真を撮るのが楽しくなる
💠 夏 ― 青と紫、涼やかな色の重なり
夏の自然には、涼しさを感じさせる色彩があるようだ
紫陽花の青や紫、杜若や菖蒲の凛とした色、水辺の緑
夏の襲色目には、
菖蒲や杜若、卯の花、若竹、蝉の羽、青紅葉など、
季節の植物や風物にちなんだ名前がある
今回の紫陽花の写真では、
青から紫へと変化する花びらの色を撮った
光の入り方や背景のぼけによって、同じ青紫でも違った印象になってくる
夏は、光と水、そして緑が豊かな色彩をつくる季節
夏 作例 1
夏 作例 2
夏 作例 3
🍁 秋 ― 色が深まり、重なり合う季節
秋は、自然の色彩が大きく変化する季節
緑だった葉が黄色や橙色に変わり、
やがて深い紅色へと染まっていく
襲色目にも、紅葉や朽葉など、秋の風景を思わせる名前がある
前回紹介した「初紅葉」「黄紅葉」なども、季節の移ろいを感じさせる色目
もみじの写真を見ても、緑、黄色、橙、赤と、
同じ木の葉でもさまざまな表情がある
一枚の葉だけでなく、周囲の葉や背景の色が重なることで
秋ならではの豊かな色彩
(前回の記事、参照)
秋 作例 1
秋 作例 2
秋 作例 3
❄️ 冬 ― 静けさの中に見つける色
冬は、花や葉の色が少なくなり、景色全体が落ち着いた印象になってくる
よく眺めてみると、そこにはたくさんの色がある
冬木立の墨色、枯れ葉の茶色、霜柱の白、常緑樹の深い緑
平安時代の色目にも、雪や氷、松、枯野など、
冬の自然を思わせる名前が残されている
今回の写真では、池に映る冬の木立、霜をまとった落ち葉、
白い霜が重なった緑の葉を選んでみた
作例 1
作例 2
作例 3
特に、緑の葉の上に降りた霜は、自然がつくり出した小さな色の重なり
冬は、色が少ないのではなく、色を見つける楽しみが増える季節となる
そんなことを、写真を撮りながら感じている
🎨 自然から学ぶ、日本の色彩文化
春夏秋冬、それぞれの季節には違った色彩を見つけることができる
古来の日本人は、自然の中にある色を見つめ、衣服や暮らしの中に取り入れてきた
そこには、単に色を組み合わせるだけではなく、
季節を感じ、自然の変化を楽しむ心があったのではないかと思う
写真を撮ることで、
普段は見過ごしてしまう色の組み合わせを見つけたいと思っている
昔の人々が衣服に重ねた色
写真に収める色
表現する方法は違っても、自然の中に美しさを見つけることは
どこか通じるものがあるように感じる
四季折々の自然が見せてくれる色彩。
これからも、写真を通してその美しさを見つけていきたい
Ayabaの色彩ノート
写真を撮るとき、花や葉そのものの色だけでなく、背景にある色にも目を向けている
主役となる花の色を引き立てる背景
光が差し込むことで生まれる色の変化
そして、ぼけの中に広がる、もう一つの色彩
背景や光も含めて、画面全体の色を考える
それもまた、写真の楽しみの一つ
自然の中で見つけた色を、これからも自分なりの視点で残していきたい
冬 作例
この写真からでもかさね色 見つけることができるね
続く
じゃあ、またねぇ👋😘














