※華ヤカ未プレイでの感想になります。
今回はPS vita ソフト 『天涯ニ舞ウ、粋ナ華』 をプレイしましたので感想を残しておきます。



率直に書くと、乙女ゲームの割にはしんどいゲームでした。
何がって、序盤の主人公への待遇が悪過ぎて、プレイしてたら多大なるダメージが入ってきたんですよ。

個別に入ったらまともな乙女ゲームとしての展開が待ってるし、攻略キャラも個性的だしで楽しめるんですけどね。自分のような雑魚メンタルの持ち主からしたら最初の数ヶ月(プレイ時間5時間くらい?)で心折れそうになって、辛いところばかり印象に残っちゃいました。

そこを耐えられる辛抱強い人からしたら、辛い部分含めて面白いって言えるのかもしれません。


※以下しばらく愚痴なので注意
※あと普通にネタバレ前提なので注意


最初に弥島家へお見合いのゴタゴタについて説明してもらいに行った時点で、「この家には1分たりとも居たくない(ꐦ°᷄д°᷅)」とストレス溜まってしまいました。

家に入る前、次男に会った時点では「なんか知らない人いるから警戒しとこ」くらいの対応だったからリアルな辛辣さ具合が展開されるのかと期待してたんですわ。
それが、長女とちょっと話したら……初対面で失礼どころの話じゃない罵倒をされてびっくり!インパクト強すぎ!
会いに行った弥島の親父さんも一見良い人そうに見えて、クッソ大事な事情も告げずにお見合いさせてきたタヌキですし。

1人か2人ならまだしも、7人兄弟とその両親のうち四男にしかまともな対応されてないんですよ。すごくないっすか?
個々にスポットを当てたらそれなりに個性溢れるキャラとして受け入れられるとはいえ、みんながアク強いせいで流石にげんなりしました。


だからもちろん、再びお呼ばれして幸太(弥島父)から賭けの話を聞いたときには、「一体誰がこんな話を引き受けるの…?」と疑問に思う他ありませんでした。

例えばこれが「外部の人がホテル建てようとしてる」とか「長男だけヤバくて他まとも」とかならギリギリまだわからなくもないですよ?
でも、あの家庭環境を作った原因の父親が何も関係ない女子に理不尽なお願いしても、「自業自得だから」としか言いようがない。
というかあの父の頭の中では、お店〉〉〉〉家族じゃん?

仕方なしに一週間お試しに…と見学したお店がまたまあ酷いこと。当然のようにセクハラしてくる客がいて、それをある程度はお店が黙認してたり。上客が来たら休日返上してでもお店を開けないといけなかったり。
作品内の昭和初期なら普通な可能性もありますが、現代的価値観に染まってる自分からすると「こんなお店潰してホテル建てとけ」と言いたくなりました。

そこからなんでりっちゃん(主人公)が賭けに乗ったんです?
お人好しってレベルの話じゃないよ(´・ω・)?


……とりっちゃんが攻略対象の家に滞在するまでの流れに腹が立ちすぎて、プレイしているこちらのハートはブレイキング。
ま、まあ、導入は強引なの多いから……と自身を宥めようにも、乙女ゲーム要素に散りばめられた謎の無情感にジリジリと精神を削られていきました。

・徐々に態度が軟化するとはいえ、なかなかそれを表に出さない攻略対象たち。
・能力的には普通の女の子なので、まともに店主が務まらない主人公。
・お陰でイライラしている可哀想な従業員。
・相談しても突き放してくる前店主。
・当然のように番付の下がる割烹店。

全く事態が好転しないんですよ〜(T . T)
せめて、りっちゃんのモチベーションがもっと高ければよかったのに。頑張ったところでタヌキ親父が喜ぶだけで自身の利益にはならないんですよ。それに、特にお店に思い入れがあるわけじゃないから、休日返上してでもなにがなんでもやってやる!とまでの気概は感じませんでした。
1ヶ月の給料で服も買えないんですよ!?
アタリマエダヨ…ヤルキナンテオキナイヨ…_(:3 」∠)_


この辺りの上手くいくはずのないっていう部分を楽しめるかどうかが評価に大きく関わりそうです。自分はちょっと…頑張らなくていいようなことを頑張ってる子をひたすら見続けるのは苦しかったです。
個別に入ってみると、ストレスは減るもののりつちゃんのあまりの店主の適性のなさに泣けました。
女中の仕事とか看病するとかなら最適な良い子なんです!堂々とするのに躊躇いがあったりする辺り、流石にだめかなという気はしてたよ!

てかそもそもお人好しは店主向いてないですよ〜。ほら、幸太をご覧なさい。性格図太いでしょ!


救いなのは仕事しているシーンを極力減らして、主にりっちゃんが店主の仕事してないところでお話を進めているところでしょうか。
まるで常に遊んでいるかのように見えるのが欠点ではありますけどね(ーー;)

以上!愚痴終わり!


  個別ルート感想

個別に入ると、店主としてやっていけるかという問題よりも、弥島の後継者問題とりっちゃんの実家をどうするかが主題となってきます。

被ったストレスとしては、どう転んでも幸太の思惑通りになるのがイマイチ気に食わないくらいなもので、きっちり折り合いをつけてくれたのは好印象でした。全部なあなあにして主人公が店主続行!とか実家は放っとく!とかされてなくてよかったです。

そのぶん攻略対象とのゴタゴタとかすれ違いとかが豊富ではありましたけど、しっかり悩んだだけあってどのエンディングもスッキリできるものとなっていました。


•どのルートも、攻略対象と(割とくだらないところで)一度はケンカするせいか、攻略中以外のルートで輝いてる人が多い印象でした。弥島家の皆さんもりつちゃんも、恋愛するとめんどくさくなりすぎなのよ笑

•二・二六事件って想像以上に大事件で驚きました。日本史苦手な人からすると「なんか反乱起きた」程度の認識だったんですよね。


以下キャラ別に一言ずつ

【弥島 幸介】
自分にはこの人の怒りポイントがよくわからない…(´・ω・)

ホテルの副支配人のときは部下からも慕われてたから、元々は怒りっぽいわけでもなさそうなんですけどね。
実際、夢を諦めさせられてなあなあでお店継がされそうになってたから、今の状況がイライラするのはわかる。というか、体調崩すまでずっと後継問題をほったらかしていた幸太さんがあかんのはある。

それにしても、ずっとイライラしてるのもどうなんです…?
右も左もわからない10歳以上年下のりっちゃんにやたら強く当たるわ、昔の恋人(?)のことをそれとなく聞いたら怒ってくるわ。
一周回って面白くはありましたけど、慣れるまでが辛かったです。


【弥島 裕介】
序盤からデレてたのが分かりやすかったから、怖そうな見た目しといて愛着しかわかんのですよ。いっちゃん最初に出てくるCGが大好きなんだけど、分かります?あのしかめ面で一目惚れてwwww笑わないわけがないwww

惚れてるという自覚がないのに、体調崩したまま橋の上まで迎えに行ったり、浴衣作って祭りに連れて行こうとしてたのほんとウケる。

庭師の仕事もやれてたし、きっと働く上では有能なんでしょうけども、
恋愛においてはポンのコツな人間でした。


【弥島 惣介】
イケメン+変人=大体なんでも許される
※外で女性にいきなり抱きつくのは、イケメンであっても通常アウトになります。

女性が苦手で恋愛にはほぼ接点なく生きてきただけあって、なんかもう色々ズレてますwww
愛情表現が素直なお陰で、兄弟の中では1番癒されるルートでした。


【弥島 恭介】
おかしい…弥島家唯一の好青年をプレイしているはずなんだが…

兄弟で珍しくまともにりつちゃんと話してくれるお兄さんだったのですが、ルート入るとなんとも上手くいかない感じがありました。2人の会話を読んでて、これといって大きな諍いがなかったはずなのになんかお互い話しづらくなっちゃったりするところが無駄にリアルなん。お互いぱっと見人当たり良さそうでも頑固でいじっぱりっていう感じだから、そりゃあ上手くいかないところもありますよね。

個人的にはお互いの関係性が言葉に出さずに進んでいて、いつのまに気まずくなったりしてんの!?という部分が少なくありませんでした。
なので、恋愛面としては少しマイナス。受け取り側の空気の読め具合に任せられてもこちらは困ります。

そのぶん、弥島の店のお家騒動として見たら非常に面白かったです。
幸太と同じくらい幸介が無茶苦茶言うのは親子だよな〜て感じしますし、恭介が店主やる気はないのに幸介にもやもやしてんのも兄弟だなって感じがしました。誰も店主やれそうにないからって丹道斎様に泣きついたら幸介が拗ねてるとことか笑えました(((o(*゚▽゚*)o)))
弥島家の方々のめんどくささっぷりが如何なく発揮されてて楽しかったです。


【弥島 俊介】
どうにも刺さりませんでした。
多分りっちゃんが彼に対しては意地張ってて相性が微妙っぽいのと、取り巻きがウザいからだとは思うのですが…

ショタスチルだけは文句なしに癒しです!幼少期のシーンだけでプレイする価値はありました!


【隠しキャラ】
彼もまたある意味拗らせているタイプではございましたが、それはあくまで家族的なものだけでした。弥島家で過ごしてるうちに毒気も抜けてすっかり良い子に。

恋愛に関して言えば、はっきり言葉に出してくれて、りっちゃんの家のことも結婚のことも考えてくれるし、今作の中で1番まともです。
……うん、多分、まとも。腹黒だけど丹道斎様以外にはそれほど迷惑かけてないし……

りっちゃんのことだけ忘れていくというのだけは最後まで説明なくて実質ホラーでした。結局なんで???


  まとめ

これホント、導入の意味不明な展開が無ければ楽しめたのでは?と思います。

序盤スチルの弥島兄弟のゴミを見るような目とか、バラバラだった弥島家が少しずつまとまっていくところとか、見どころはいっぱいありました。それに、上手くいかない不甲斐なさを抱えながらもなんとか乗り越えていく流れも、頑張る理由が意味不明だっただけて本来は燃える展開のはず。昭和初期の帝都ならではの光景とか催し物なんかも興味を惹くもので面白かったです。

ただ、幸太のお願いは終始気が狂ってるとしか思えないし、りっちゃんが店主を努めようと思った流れも一時の気の迷い&意固地になっているようにしか見えませんでした。
とりあえず誰か止めてやれよ!?

りっちゃんが店主として頑張るもっともらしい理由が欲しかったところです。それだけで印象が大きく変わってたかもしれません。


根本的には悪くないことを思うと、評判の良い華ヤカのほうもプレイしたくなりますね。
しばらくは罵倒されたくないので別ゲーやってから挑むとします…