PlayStation vita 版の『忍び、恋うつつ−雪月花恋絵巻』をプレイしました。
こちらのソフトには、もともとpspで発売されていたシナリオの「花吹雪恋絵巻」と追加シナリオの「雪月花恋絵巻」が入ってます。両方とも読み終えましたので感想を書きます。


この作品、とにかくパッケージのきらきら感がすごい。薄めのピンクを基調としていて花びらやらハートやらふわふわがいっぱい♡♡♡
眺めるだけで胸焼けを起こすレベルです。お陰でだいぶ前に購入したはずなのにプレイするの躊躇してましたからね。



戸惑いつつもプレイしてみると……あれ?面白いだと!?

ゲロ甘なのは想定通りでした。
その上で、はちゃめちゃ感と甘さのバランスが良かったのです。おかげで読んでいてとても楽しかったのでした。


序盤あらすじをまとめるとこんな感じ。
『時は1700年くらい。
大坂夏の陣で豊臣側が勝った世界のようです。以降、侍に変わって忍者が表舞台に立つようになっておりました。
そんななか忍者を目指す主人公の片桐かえでちゃんが、周囲の人を惚れさせる「メロメロの術」をかけてしまい……』


メ ロ メ ロ の 術

……この6文字だけでなんとなく作品の方向性が掴めてしまうからすごいですなメロメロ。


※一応ネタバレ注意※


メロメロの術を初めて見たときは爆笑しましたwww
攻略対象がハート目になってひたすら甘い言葉を並べてくるからお腹痛いwwwしかも術にかかってるだけだから全く心に響かないwww

なのに、ゲームを進めるにつれてだんだん甘いセリフから個性を読み取れるようになったりして、終盤はほとんど本心と同じだったりするところに思わずキュンとなりました。
ただでさえ絵面が面白いというのに、ずるいですよ〜


逆に、メロメロの術を制御するための「鍛錬」は笑うというよりも普通に萌えました。

甘い言葉を投げつつ恥ずかしがったり、「素直に告白出来ないけど鍛錬なら言える!」ていう攻略対象の様子が良い。個人的には戸惑ってる咲助と赤面する鎌清が好きでした。

ハートがほぼ貯まらない選択肢を選ぶのもなかなか良いんですよ〜。「なんで今その言葉が???」ってなってる子達を眺めているだけで楽しかったです。


  主人公について

片桐かえで。くの一ちゃんです。
自分の夢がはっきりしているので滅茶苦茶努力するし主体性があってとってもよろしい。立派な忍者になるために頑張るひたむきさには好感が持てました。

容姿の方も髪ふわふわ〜で羨ましい。
スチルとかでクリクリお目目なのがとても可愛らしい感じです。

高等忍術院の女子制服もよく似合っておりました。ピンクの謎スカーフとかあってオシャレですけど、背中が丸見えなんですよ
夏服だからなのかと思っていたら冬場でもあの格好だったので、見ててとっても寒そうでした。

手裏剣と風術が得意なご様子ですが、ついでに「字を書くのが速い」と付け加えても良いくらいには複写速度が凄い。
教科書を一晩で写し終えたときには、流石にびっくりしましたよ。(戦ってる時にこっそり巻物の内容書いてたけど、普通に墨と筆使ってんのかな…?)


  花吹雪恋絵巻

まずは第1作目から〜
共通パートが間に結構挟まるから、それ除いたら1人攻略に2時間ってところでしょうか。
個人的にまあまあネタバレになる真田先生と大ハーレムルートも最初から選ばせてくれるのが珍しかったです。


実はA○azonレビューで「女子のいじめが〜」てあって警戒していたのですが、思っていたよりあっさりしてて安心しました。

好きな歌舞伎役者(実質アイドル)がメロメロの術で害を受けてると勘違いしたんならまあ、早とちりにも程があるものの、器物損害くらいはあってもおかしくないです。
現実のアイドルオタのが怖いレベルですし。
実際主人公に実害出してるのは女子じゃなくて徳川残党なんですもん。

誤解解けたら普通に謝ってもらえて仲良くなれましたからね〜。幕府が100年も続いた世の忍者は平和です。


【猿飛 咲助】
バカとは言われるものの、言語知識が不足しているくらいでしたような…それくらい書物とか読まないってことなんでしょうね。
なのに歌舞伎のこととなると滅茶苦茶資料読んだりしていて、歌舞伎が本当に好きなんだな〜てことが伝わってきました。


彼は本人のルートでは、「ツンデレで可愛い」くらいの認識でしたが、大ハーレムでは評価が上がりました。

他の攻略対象だけでなくて、クラスの女子たちも「みんなで仲良くしたい」と説得するところがかっこよかったです。良い人だな〜てなりました。


【霧隠 蔵人】
クールで忍術の天才?
あっそう………..ん?

弟に対してめっちゃ過保護なお兄ちゃんだと!?

……ええやん。


【由利 鎌清】
メロメロ状態はいつも誰だお前状態で毎回読んでいて吹き出しました。

普段真面目な堅物なのにね〜
赤面するところとか可愛いのにね〜
もし付き合って慣れてからドS的な本性が出て来るとしたら面白すぎます。

途中3章(だったかな?)で好意を伝えようとするところが初心でやばかったです。
全然伝わって無えから!!!
どうしてそうなった!?

彼のお兄さんが有志隊の髪括ってる方でちょっとびっくり。髪色的に兄弟って感じしないじゃないですか。
お兄さん…攻略したい…


【我来也】
厨二的な発言なせいでセリフが全く飛ばせませんでした。急に横文字使うからさ…
まあ、そうじゃなくても語尾に「だぞっ!」てつくのが最高に可愛かったから結局全部台詞を聞くことにはなるんですけれど。

この人は、眼帯とか竜とかでなんとなく正体が察せます。そうなると元か現役かは分からなけど、一応○○なんだろうな〜と。お陰でかえでちゃんやその他の攻略対象と仲良くしているだけで、なんかもう感慨深かったです。

大ハーレムルートでみんなと仲良くなっているのを見て、「このルートは我来也のお友達いっぱいルートかな?」てなるくらいには嬉しそうで可愛かったです。


ところで、厨二言動はあれ、単にかっこいいからやってるだけですよね?
ちっちゃいとめっちゃ可愛いものの、でかくなると…うん。18歳ですからね…
人形も謎センスの塊ですから、大きい我来也さんと一緒にいると違和感ありました。

ま、喋る内容は大きかろうが可愛いんですけどね!


【穴山 大介】

先輩は、医療に真摯な良い人です。

…でもなあ……思い込みが強い感じがあるからなあ……

穴山先輩に寄ってくる女性がお金目当てなのは、単にお金もってるからそういう人が引き寄せられるってだけで。それだけで女性全般について語られたくなんてありませんし。

治療してもらったひとがお金取って行ったのも、「お金なくて治療受けられなくて死にそうだった=生きていくためのお金は奪わないと!」て理由がもとにはあるんだと思います。

父親の件と同じに考えちゃってる辺がどうにも解せないんですよ。

かえでちゃんもさ、「お金なんか」とか言うんだじゃねえ!
ある程度のお金ないと人間社会じゃ生きていけねえんですよ!

根本的に思想違うと、読む時にだれるなぁ……


【真田 幸影】
ずるい大人の見本みたいな人でした。

かえでちゃん的にはさ、真田先生とマンツーマンのレッスンで鍛えられて良かったと思いますけども。明らかに他ルートと強さが違いますもん

教師にしては珍しく主人公に惚れても違和感のない立場にいるってのも良いところです。(昔から守るって意識があってなおかつメロメロの術に何度かかかってるから、そりゃ恋に堕ちますよね…)

あとあと、守護対象でありながらかえでちゃんが忍者になる意志を尊重していっぱい教えてくれたり、あくまでも立場を考えて恋人関係にならないようにしてたのはマジ出来た保護者。


でもさ、やっぱずるいわよこの男…

恋を自覚する前は教師という立場を利用して他の男どもに全力で牽制しますし。かえでちゃんにその気にさせるだけして『鍛錬』とか言って誤魔化しますし。

多少は他の攻略対象にも同じこと言えますけど、規模…というかガチ感が違います。

それでもかえでちゃんへの大人げない対応を除くと、理想的な教師なんだから困っちゃいますよ。なんだかんだこの人自体は好きだからずるいなぁ…と思います。

ところで、このルートでの副理事長さんは、追い詰められると同時に術を出してくるようになりました。今までできなかったのにね(´・ω・)
相手が真田先生だからなのか、急に本気モードすぎです。


  雪月花恋絵巻

大ハーレムルート後っぽいけど、穴山さんへの誤解が解けてないから別ルートなんでしょうか。半年経ってメロメロ設定が恋人になっとるから、メロメロの術に更なるバリエーションがついて面白かったです。

【豊富 秀虎】
セリフを読み飛ばせない人その2。
我来也さんは文字列で意味わかるけど、この人は聞かないと何喋ってるのか分かりません。

登場時は馬に乗ってやってくるから、凄い癖の強いキャラがきたな〜と思いました。
それが話を進めていくと真面目な面やら周りをしっかり見て行動するところとか、上に立つ者として最高の人だとわかってくるんですよ〜。

もしかしなくても、このゲームの中で最高にかっこいい人なのではないでしょうか??


【服部 半蔵】
最初のメロメロの術からして、ギャップが激しくて面白い人だな〜て感じてました。
術にかかった状態見た後だと、いくら凄まれても可愛いんですよ(*'▽'*)

なのに、他の人のルートでは敵方として出てくるし、本人のルートでも最後の最後まで「服部 半蔵」としての使命を捨てられないしでめっちゃシリアス。

毎回襲ってくるけれど、なかなか憎めない人なんですよね〜。かえでちゃんが救ってあげないとどうにもならないから。
だからいつの間にか真田end入っていたときは「ちょ、まてい!」てなりましたとも。あの後半蔵は生き残れたのでしょうか。


【宇喜田 義家】
三留してるので、20歳でs……20歳!?

プレイ中はかえでちゃんの行動の殆どが彼の介護だったというのに、10代じゃないだと…?
側から見てると顔面はマジ綺麗だしふわふわしているしで眼福なのですけど、それはそれとして許されないですよw

要介護なのはまだそれも生き方だ、で済むのですよ。ただ、彼の場合小早川さんの件で逃げていてモヤモヤしているだけなので、どうにもしばき倒したくなるんです。

そんな人なのに、かえでちゃんが狙われてると分かったらなんのかんのでそばに居て守ろうとしているからずるいです。こんな面見せられてるから嫌いになれないじゃないですか〜。
ずるいレベルだったら真田先生の次にきますよ、もうっ。


ちなみに、小早川さんってなんとなく儚げで真面目な感じの美少女を想像していたので、声を聞いて誰だこりゃ状態でした。男なんだぁ…


【霧隠 忠人】
純粋で忍術が使える使えないの問題じゃなく忍者に向いてない人だと思いました。
体術だけでも戦闘力は足りていますしね。

本作唯一の後輩キャラなだけあって、ワンコ可愛い子でした。文化祭の狼男はやってはいけない格好してましたよ(๑˃̵ᴗ˂̵)

最初はただ兄についていく感じの子だったのに、いつの間にか信念を持って1人の男って感じになってきてましたね。意外とぐいぐいくるじゃないですか〜。
純粋で騙されやすそうっていうのはお変わりなしですが、そこはまあ、過保護だった兄から離れてきたから今後に期待。


  その他

かえでちゃんが家康の子孫ってマジです?
関ヶ原の時点ではおじいちゃんのはずでは…ってググったら、1543年生まれだそうです。

霧姫が救出されたのが関ヶ原の直後でも、57歳でハッスルしていたということになるのですが、家康公。

夏の陣直前の場合だと…流石に元気だねぇ…





さて、次はFDの甘蜜花絵巻ですか。
パッケージによると糖度が本作の5倍になっているようです。
……糖度1000000%ってなんだろう。甘味料かな?