紅涙 (こうるい)紅涙 美人の涙シトシトと細絹のように降る雨あの女(ひと)が好きだと言った雨が降る草木に降り注ぐ雨は恵みをもたらし 花ばなは勢いを増すあの女は俺を見詰めたまま 涙を流した今 その意味を想い描くここに留まりたい あの女は小さく言ったお返しするのが俺のシンイ返したくないのも俺の真意隊長 そろそろ 軍議が始まりますチュンソクの声に そうか と答えたあの女の涙のような 雨が俺を悩ます俺は踵を返し 皆の待つ軍議に向かった