社内カウンセラーに求められるもの | カウンセラーあやのブログ

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キャリア、メンタルヘルスのことなど

また暑い季節がやってきましたが、皆様ご体調は大丈夫でしょうか。

こういった時期こそ体力が大切なので、食事、睡眠には気を付けてくださいね。

 

久々の投稿ですが、今回は産業領域の心理職、特に社内カウンセラーに求められるものについて、私の経験から考えたことをお話していきたいと思います。

まだまだ産業領域で働く心理職、カウンセラーは少ない印象ですが今後企業の健康経営、コンプライアンスの徹底がより重視される中、社内カウンセラー等の求人も多くなるかもしれません。

 

①信頼感、清潔感、温かみ、明るさ、気さくさ、誠実な雰囲気が大切。

社内でカウンセラーとして働くということは、常にクライエントになりうる社員に囲まれて仕事をするということです。

自分が従業員の立場だとしたら、悩みがある時にどんな人に相談したいと思うでしょうか。

自分の悩みを誰かに話しそうだったり、忙しそうだったり、暗い雰囲気の人には「正直相談してもなあ」と思うのではないでしょうか。

人それぞれ信頼できそうなカウンセラー像というのは違って当然ですし、様々なタイプのカウンセラーがいることはいいことだと思いますが、外部機関のカウンセラーならクライエントに選択の余地があるものの、社内カウンセラーの数は限られていることがほとんどですので、より多くの従業員に「相談しやすそう」「相談したい」と思ってもらえるような、万人受けする印象づくりも大切です。

常に機嫌が良さそうで、ある程度余裕がありそうで、秘密を守るだろうという雰囲気をつくるためには、常識的で清潔感のある身だしなみ、信頼できそうな話し方、明るい表情、誰かの悪口を言わないのは勿論、きちんとしつつも堅苦しすぎない日頃の言動、様々なものが求められます。

これはスクールカウンセラーでも同じことが言えます。

以前知り合いの娘さんが「ウチの学校のスクールカウンセラーはぼさっとした暗そうな人で 絶対にあんな人に相談したくない」と言っていたという話を聞いたこともあります。

 相談しても良さそうかどうか、という人々の視線の中で働くスクールカウンセラー、社内カウンセラー等は 一挙一動とまでは言わないですが、組織外で働くカウンセラーより、気を張る瞬間も多いことを覚悟しなくてはいけないかもしれません。

 

②労働法を勉強する。

社内カウンセラーは働く人を対象としているので、心理的な知見以外にもある程度労働法について知っておく必要があります。

特にストレスチェックによる高ストレス者、残業が多い従業員、ハラスメント被害者等がカウンセラーへ相談する場合もあるので、労働安全衛生法、労働施策総合推進法等知識は必要です。

「衛生管理者(国家資格)」「ハラスメント防止コンサルタント(公益財団法人21世紀職業財団)」等資格を取得して学ぶのもお勧めです。

 

③従業員目線、会社目線双方を意識して対応する。

従業員の相談対応等をする際は、従業員の気持に寄り添うことは勿論大切ですが、会社目線も意識することが大切です。

社内カウンセラーが従業員の代弁者だけの存在になるのではなく、従業員、会社双方にとって良い方向にいくようにするためにはどうすればいいか、考えていくことも大事かと思います。

ある程度は会社側からも「社内カウンセラーがいて良かった」と思ってもらえる方が、従業員のためのメンタルヘルスケアの施策もしやすくなります。

また②とも被りますが、従業員、会社双方にとって良い対応を考えるためには法律や過去の企業、従業員間のメンタルヘルス、ハラスメント関連の裁判例を学ぶことも参考になります。

そういったことを学ぶ際には一般社団法人日本産業保健法学会の「産業保健法務主任者(メンタルヘルス法務主任者)」と言う資格もお勧めなのでご興味があれば調べてみてください。

 

 

④様々な実務能力を上げる。

企業にもよりますが、社内カウンセラーは衛生委員会の運営や、メンタルヘルスケアの研修などが求められる場合もあります。

カウンセリング技術だけではなく、社内調整力、事務処理能力や、資料作成能力、また役員以上にメンタルヘルス対策について説明するシーンの為にプレゼン能力等様々な能力が求められます。

一つのことにじっくり取り組むよりはマルチタスク、スピード感が求められる現場でも苦ではない方が社内カウンセラーに向いているかもしれません。

 

 

如何でしょうか。ぱっと思いついたことを簡単に書いてみました。


社内カウンセラーを経験したことがある私個人の経験からのお話なので、すべての場合には当てはまらないかもしれませんし、知っている方からすれば当たり前の話がほとんどだったかもしれませんが、今後社内カウンセラーを目指す方の参考に少しでもなれば幸いです。